詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

ひよっこの第45話、乙女たちの水着シーンなしの海で、歌う綿引!


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  NHK・朝の連続テレビ小説「ひよっこ」、第43話~45話の中の「みね子、水着を買って、みんなと海へ!」に関する感想と、雑なダイジェストです。

 

 

 

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  それぞれの事情で、お盆には帰省をしない6人、幸子のアイデアで、海へ遊びに行くことになり、雑誌を見ながら、水着を買う話で盛り上ります。

 

 豊子の「(派手な水着は)自分が壊れてしまいそうで・・・」、澄子の「やっぱ、生地の面積が小さい方が、安いんですかねぇ・・・」などと、らしい台詞が、飛び交います。

 

 


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 海へ遊びに行く話で盛り上がる若者たちの前に、お世辞にも若いとは言い難い、愛子が現れると、何故かみんな正座になります。

 

 戦時中を知る世代、愛子の「お盆の過ごし方」を聞いた後、彼女の方から「(海水浴)ちょっと誘ってみて、断るから」と、みね子にお願いします。

 

 みね子は、「何で、こういう時、いつも私なんでしょうか?」と思いつつも、「愛子さん、一緒に水着買って、海水浴しませんか?」と、愛子のお願いに応えます。

 

 愛子が、真顔で「うん、行く!」と答えると、乙女たちは「え?」と、一瞬、言葉を失います。そして、愛子の「・・・冗談よ、何て顔してるの、アンタたち!」と言う台詞を聞いて、みんな微笑をしつつ、安心します。

 

 みね子の「水着買って」を強調するところに、「その歳で水着はないですよね、人前で」と思わずにはいられない、彼女の隠れた意地の悪さが露になる、やり取りでした。

 

 


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  みんなでデパートに行き、水着を買い、寮の自分たちの部屋で、それを見せ合います。

 

 こんなチャチな水着で海へ入ったら、NHKなのに、有村架純が、佐久間由衣が・・・ほぼ、スクール水着の藤野涼子以外、揃って放送事故の可能性も・・・?

 

 


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 しかし、この澄子の下着みたいな水着を見たら、海で、乙女たちが、水着姿を披露なんてシーンは、まず、なさそうな感じです。

 

 


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  姉・みね子からの手紙、自分だけ、海へ遊びに行くこと(楽しんでくること)を、「ゴメンね」と謝る文面に、ちよ子が不思議がります。

 

 進の方は、「遊びなさい、勉強もしなさい」という姉の忠告に、「どっちなんだよ!」と、早くも人生の岐路に立たされます。

 

 


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  自分たち、家族に対して、うしろめたい思いをしている姉に、妹からのプレゼントです。

 

 これまでの手紙の中に、ルームメイト情報があったのか、何となく、それっぽい6人が描かれています。

 

 もし、この場に愛子がいたら、「どうせ、私は・・・」となっていたのでしょうが、居なかったので(ちょっと前に、やったばかりなので)、今回はセーフです。

 

 ちよ子画伯の絵、エビの宙の舞い方と、カニというより、カニ風味な感じのデザインに、凡庸なみね子にはない、芸術的才能を感じさせます。

 

 


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  昨日、いい歳をして、てるてる坊主にお願いまでしたのに、外は、どしゃ降りの雨、それでも、天気が変わることを期待して、乙女たちは、寮の食堂で弁当作りに励みます。

 

 部屋にテレビのある、愛子から「天気予報、一日中、雨・・・あ、ゴメン」という、あまり聞きたくない情報もありました。

 

 


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 会社の車を借りて、今日は乙女たちの運転手を引き受けた高島が、ラーメンで繋がった同志、綿引を連れて来ます。左翼インテリと、警察官という、異色コンビの誕生です。

 

 

 

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  結局、雨は降りやまず、優子の「へば、映画とか?」という提案と、時子の「ウエストサイド物語が観たい」というリクエストに、高島も賛同、海へ行く予定を変更し、みんなで映画館に出掛けます。

 

 移動シーンも、映画のシーンもなく、乙女寮のエキストラたちのミュージカルを挟んで、再び、舞台は寮の食堂に・・・先週の、「公園の噴水の前、銀ブラ映像、公園の噴水の前」というパターンと同じ・・・ひよっこの監督・脚本家は、かなり大胆な、省略が好きなようです。

 

 それにしても、乙女寮のエキストラたち、コーラスやったり、ミュージカルやったり、相当な芸達者のようですが、一体、何者なのでしょう?気になります。

 

 

 
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 おそらく、「人は好いけど、真面目で、話のつまらない男」と設定されている綿引も、映画の影響で、一人になったら、このポーズ・・・しかし、彼の背後には、いつの間にか、7人の観客が・・・。

 

 


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 8人中、最も映画の影響を受けにくいキャラクターのはずの豊子も、一人になると、訛りながら「マリア、マリア、君を愛している・・・私も」と一人芝居を始めますが、やはり、その近くには、7人の観客が・・・しかも、タチの悪い眼鏡の客に、さんざん、からかわれます。

 

 


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 夕方、雨も止んで、乙女たち一行は、遅ればせながら、海へ。波打ち際で、はしゃいだ後、高島が「あの夕日に向かって、歌いたまえ!」と、綿引を促すと、彼は「アイラビュー、イエスアイドュー♪」と、当時の加山雄三のヒット曲を歌い始めます。

 

 彼の歌唱力の方は、間違っても、向島電機コーラス部には、参加しないで欲しいレベルでしたが、「青春だねぇ」という雰囲気は、溢れんばかりでした。

 

 それにしても、高島の「あの夕日に向かって、歌いたまえ!」って・・・一周回って、いや、三周以上回って、斬新な台詞なのかも知れません。

 

 

 


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 ネット上では、「お盆に、帰省か、海かで、みね子が後者を選ぶとは・・・」、「帰省する交通費もないのに、水着は買えるんだ?」、「ただ、海に行くだけなのに、うしろめたいって話を、やり過ぎている」という批判もあるようですが、それを差し引いても、いつも通り、充分、楽しめる内容だったと、私は思います。

 

 また、失踪した父親捜しという、メインストーリーを進めないで、寄り道エピソードばかりやっているとも、言われていますが、おそらく、寄り道の中に、何かしらの伏線(何らかの意味)も含まれているような気もしますし、短い寄り道のようで、実は、もっと長く、それがメインストーリーに繋がっていくようなことも、あるような気がします。

 

 また、ストーリーのヤマとタニがない、ほぼフラットな感じに、違和感を持っている人の中には「脚本家が安易な方向に逃げ込んでいる証明だ」という意見もあるようですが、それは逆でしょう。

 

 多くの脚本家にとって、フラットなストーリーで、一定の面白さを維持する方より、ヤマ(成功)とタニ(失敗)のギャップがあるストーリーを作り、視聴者ウケを狙う方が簡単ですから。

 

 ただ、フラットゆえに、視聴者に飽きられないよう、笑いの手数を増やさざる得ず、コント的なシーンが増えて、それが好みじゃない人も、少なからず出てくるでしょうが・・・。

 

 これから、みね子の働く工場が閉鎖されたり、登場人物が結婚したり、亡くなったり、失踪した父親が発見されたり、これまでより、ストーリーに、ヤマやタニが出てくるようになると思いますが、そこから、下手にドラマチックになるよりも、フラットな日常路線で、今のノリで、ラストまでいく方が、はるかに価値のある挑戦だと思いますが、朝ドラの長丁場では、難しい気がします。

 

 それに、難しいことに挑戦しているのに、大して誉められない(視聴率に反映されない)のも、割りに合わない話ですし・・・。

 

 とにかく、私が最後に、ひよっこの監督・脚本家に言いたいことがあるとすれば、「このドラマの視聴率アップ作戦の一環として、乙女たちの水着姿を披露するかのごとく、期待させるだけさせておいて、裏切ったな!」ということだけです。

 

 

 それでは、読者の皆さん、今回も、いつものように、無駄な長文、失礼致しました。機会があったら、また、アクセスしてください。

 

 有り難うございました。