詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

2016-09-26から1日間の記事一覧

蛙の合唱隊~少数精鋭の理由~

蛙の合唱隊 たった、三匹しかいない いつも、紫陽花の葉の上で練習 人間の家の、窓サッシにへばりついて 本番のコンサート 家の中にいる人間たちは、たいがい 「蛙のうるさい、季節になったな」 と、感想を漏らすだけなのに それを外から見ている、蛙の合唱…

短詩ばかり、三篇ほど その三

巣立ち 鳥が初めて、飛ぶ感じ 人が初めて、自転車に乗れた時 人は自転車でころぶけど 鳥は、空から、墜ちたりしない 翼は、鳥の一部だが 自転車は、人間の一部ではない きっと、そういうことだろう さあ、大人の方々 今すぐ、子供たちに 自転車を買ってあげ…

短詩ばかり、三篇ほど その二

真のグルメ?グルメ気取り? 冷たいスープに よく洗った、小さな電気クラゲを 丸ごと、生きたまま入れると スープに、微量の電流が走り まさに、痺れるほどの、美味しさになる 特に、食通になってくると 一匹じゃ、もの足りず 小さな電気クラゲを、二匹、三…

短詩ばかり、三篇ほど その一

一捕獲二甲殻類 背中の下の方に 海老の尻尾が 生えている蟹 その名も、海老尾蟹は 元々、何の変哲もない 典型的な、蟹らしい蟹だったが 何時の間にか、突然変異し、進化し 従来の横移動に加えて バックも可能となった 我々、人間にとっても 捕獲して、食べる…

間違い電話の対応について

(電話が鳴った) はい、もしもし はい はい はい 違います! 私が電話のつもりで 持っている、受話器は コーヒーカップです ごめんなさい さっき鳴ったベルは おそらく、隣人の電話です それを知りつつ 見栄を張っていたのです それでは、失礼します 何です…

喧嘩の絶えない夫婦

金吹き女は 世界を美しくするために 口から、金の塗料を吹いて あっちこっち、金色に染めてしまう その夫である、金拭き男は 自然のままが、何より美しい と、我が妻が金色に染めたものを 雑巾で拭いて、元に戻してしまう 当然、毎日が喧嘩 そもそも、こんな…