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詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

詩・散文詩

この図書館で、一番、カドが硬い本って、何ですか?

ねえ、君、ちょっと、その本貸して どうして、黙っているの? 君は、僕に、その本、見せたくないの? 今、読んでいる最中なのにって 顔をするだけで、僕の要求を拒めると? 奪い取ってやろうか? その本を僕に 即、貸さないつもりなら 奪い取って、その本の…

中原中也という妖精の詩

もしも、中也が妖精ならば 仲間と森には、いられまい 失踪なのか? 追放なのか? とにかく、街へ出るだろう いきなり、野良猫と喧嘩して 羽根むしられた、飛べない妖精 中也は、トボトボ、歩くだろう 落ちてたボタンを、蹴るだろう 足まで、怪我をするだろう…

執着することよりも、切り替えが大事

誰かが、私を呼ぶ声がする 振り返っても、誰もいない 誰かが、私の肩を叩く 振り返っても、誰もいない 誰かが、私の背中を蹴る 振り返っても、誰もいない 私の背後に、誰かがいる とにかく、それが気になって 何度も、何度も、繰り返し 身体を回転し続けてい…

星の子供、大人になって、恩を仇で返す

自宅付近を散歩していたら 宝石らしき物体が落ちていたので 拾い上げてみたら、星の子供だった 彼に、よく話を聞いてみると 早く宇宙に帰りたい、とのことだったので 私は、親切心から、星の子供を おもいっきり、空へ放り投げてやったが すぐ、地面に落下し…

彼は心の病んだケダモノで、日々、気が滅入って、気絶しそうになる

ワタシハケダモノ トハイエ、シコウリョクハアル シャベルコトモデキル シカシ、カオガナイ ウデモナイ、アシモナイ マトモニイドウデキナイ、ナニモデキナイ ミニクイ、フカイノカタマリ ドウシヨウモナイ、カトウナソンザイ ムイミナ、イヤ タダ、ツミツク…

あわれな犬

通称・慰め犬、かなり惨め とても汚なく、犬に見えない まるで、歩くゴミみたい だから、みんなに差別され 世の中に失望した人間の気持ちが よくわかっている 慰め犬は、その優しい瞳で 常に、周囲を見回し いかにも不幸そう かつ、駄目そうな人を見つけると…

いびつな犬

おれは、いびつな犬 脚四本とも、木の棒だ 尻尾も、お飾りで 安っぽい、子供の玩具が ぶら下がっているだけだ コツン、コツン 杖をつくように、歩いていると みんな、その音に気付いて こっちを見るけど やめてくれないか? おれを観察するのは 特に、足下を…

しょうもない犬

おれは、しょうもない犬であって 生まれた時から、一匹の野良犬であって 死ぬ時も間違いなく、一匹の野良犬であって 頭の中が、どうにかなりそうで ワンワン、ワンワン 鳴いてばかりいるけど どこに向いて、吠えているのか? どこを向いて、吠えていいのか?…

永遠の刹那、約束、また逢う日まで

石鹸水をつけた、ストローの先から シャボン玉が、無数に、飛び立って行く みんな、自由を感じて 喜びの声を上げていた そのうち、二個のシャボン玉が 風に吹かれて、空高く、舞い上がった 男と、女の、シャボン玉だった 「何処へ、連れて行ってくれるの?」…

私の青い世界

青い世界に、雨が降る 目障りなくらい、真紅の薔薇が 無数に、鮮やかに、咲いている 私の殺意を感じてか? 雨に打たれて、泣く薔薇たち 同情を誘っても、無駄なのに 青い世界は、私の世界 真紅の薔薇など、不必要 雨が止んだら、やってやる 傘で無茶苦茶、や…

小さな海の創世記

公園の砂場で 大勢の子供たちが 派手な大喧嘩をした 所詮、子供に過ぎないから 勝負は、傷み分けとなり みんな泣き出してしまって やがて、涙が砂場に溜まり そこは、小さな、海となった 波はザアザア、うるさいし 貝もとれるし、海藻もとれる 魚も棲んでい…

酒と妻と病と

主人は、病気になってから ああやって、空っぽの 徳利と、お猪口で お酒を飲んだ、つもりになっているんです 独りで、お酌をしながら スルメを噛み噛み 愚痴を言っている姿 何だか、嬉しそうでしょ? 主人、頭がおかしくなる前は お酒なんて 一滴も、飲めな…

君に贈る詩

メモ用紙に 短い詩を書いて クシャクシャに丸めて 箱詰めにしたものを 君にあげる 暇な時に キャラメルでも 食べるつもりで 紙を伸ばして 読んでみなよ きっと、気に入るものもあるよ なんと、百個もあるよ 実際、キャラメルが入っているのもあるよ だから、…

毎日、一人舞台の忙しさ

雑草が生えているだけの庭 私だけの舞台、世間体など考えず 黙って雑草を、蹴りまくる、踏みまくる モグラの死骸を発見 ギュッと握って、真上に放り投げる 暑いな、雨欲しいな 雨降らないかな? 雨乞いでもしようかな? 雨雨、降れ降れ 降れ降れ、雨雨 雨、…

間違い電話の対応について

(電話が鳴った) はい、もしもし はい はい はい 違います! 私が電話のつもりで 持っている、受話器は コーヒーカップです ごめんなさい さっき鳴ったベルは おそらく、隣人の電話です それを知りつつ 見栄を張っていたのです それでは、失礼します 何です…

お嬢さん、なぜ私を、そんな目で

黒く短く しっとりした 美しい髪の 華奢な、白い素肌の お嬢さん はっきり、くっきりした眉 長い睫毛の 一重だけど、大きな瞳の お嬢さん 君の柔らかい耳たぶを 私の唇で引っ張ったら 空から、くす玉が降りて来て パカッと割れて 二人を祝福してくれる そん…

お願いですから、ピアノを弾いてください

さあ、女 ピアノを弾け その長い指を 自慢するように ピアノを弾け! さあ、女 ピアノを弾け その長い髪を 振り乱しながら ピアノを弾け! さあ、女 ピアノを弾け この長い曲を 飽きさせない感じで ピアノを弾け! さあ、女、ピアノを弾くんだ 作曲者の私を…

言葉はいらない

無口な子 何も語らず ずっと、考え事をしている 何を考えているかというと 他人に、まず、何を語るべきか?である しかし、こんな簡単な、というより どうでもいい話の結論が 何年経っても、出やしない やがて、無口な子は 無口な青年となった この頃、彼の…

埴輪と土偶の漫才

小規模ながら、満席の演芸場で 埴輪と土偶の漫才師『古代ドールズ』が ネタに入る前の、つかみとして フリートークを始めた 「お前、顔色悪いな」 「お前の方こそ、土色じゃないか?」 「お前、病気だよ」 「病気は、そっちだよ」 「じゃあ、どっちが強いか…

どぶ男ドブオの話、前編と後編

どぶ男ドブオ? どぶ男ドブオ、どぶ川に定住 いつも、顔だけ出して、泳いでいる 彼が愛する、どぶ川の中には 捨てられた傘、捨てられた自転車 捨てられたマネキン、捨てられた拳銃 捨てられた猫の死骸、など 捨てられたものが、いっぱい 「ドブオ、お前も捨…

埋もれてゆく女画家の話

不幸な女です 他人は誰も、気付いていませんが 間違いなく、不幸な女です 「アナタって幸せね」 そんなこと言われことのない 友人などいない 恋人はいたが そのせいで、人間不信になった 不幸な女です 菜食主義者には珍しい 野良犬や野良猫の 虐待が趣味の …

前向きな決断

思い出せない 忘れようがない 短い言葉だったのに どうしても、思い出せない 数種類の辞書を買って 全ページをチェックしたのに 私が忘れてしまった言葉は どこにも載ってない しかし、ふと ある人から、「ところで君、名前は?」 と訊かれて、やっと思い出し…

救世主を待つ人

困っている人よ 私の目の前にいる 困っている人よ 助けてくれる人を 待っているのか? 私が、その人だと 期待しているのか? 困った人だ 私は何も持っていないし 何もしてあげられないのに なんて、困った人だ 困っている人よ 私の助けを、一瞬でも 期待した…

思い込みの激しい私

サナギがありました それは、蝶のサナギに見えました ずっと観察していました やがて、パカッと割れました 中から、大量の数字が零れ出てきました 「これは、何かの暗号では?」 そう考え、地面に落ちている数字を拾って 何度も並び替えて、暗号解読に励みまし…

宇宙からの手紙

私は死んで 星になりました 貴方に探して、欲しいけど まさに、星の数ほど、星はあるので 一生懸けても、無理でしょう 所詮、大して輝きもしない 地味な、小さい星に過ぎません 貴方が、市販の望遠鏡を購入したところで 無駄な出費になるだけでしょう 地球に…

週末、ラッパ吹いてブギウギ

週末の私は オモチャのラッパを吹きつつ あちこち、歩き回る たくさんの人たちに 「うるさい!」と、叱られる しかし、私はラッパを吹き続ける 私の演奏を気に入らない たくさんの人たちは 集団であることを生かした 物理的強制力をもって 私から、ラッパを…

薔薇が咲いた

雨が降る中 庭園の薔薇が 蕾ながらに 考え事をしていた 不意に、答えが出た 蕾が、パッと開いた その瞬間、答えを忘れてしまった 雨が、強くなった 風も、強くなった 水も滴る、赤い薔薇が 艶かしい姿で、揺れている 「恥ずかしい」と、薔薇は思っていた そ…

月と星とピアニスト

深夜、ある一流ピアニストが 両手で鍵盤を、思いっきり叩いたら ジャーンと、大きな音がして 夜空の星が、全て墜ちました 月だけが残されて ずっと、泣いていました そして、ピアニストは 月しかない、夜空を見つめて その罪深さに失神し そのまま、気が触れ…

則天去私、運命の意味について考えてみても、答えは、こじつけでしかない

夜、ぐっすり眠っていたら 何者かに、左腕を奪われて その時は、悪い夢だと そのまま、眠ったが 朝、目が覚めたら それは、現実だった 痛みはなかった 出血の痕もなかった ただ、呆然とするばかりで 涙も出なかった 月日は流れて 片腕を失った日常にも 慣れ…

自覚があるような、ないような

頭が変になりそうなほど さみしい時の私は 唄います 踊ります 叫びます 壁にぶつかります 床に転がります 外へ飛び出します あちこちに落書きします 壁でも地面でも、お構い無しです そして、自作を大声で論評します 通行人にも、意見を求めます たいがい、…

クニャリやフニャリや二ャニャリたちの物語

クニャリ、後悔先に立たず クニャリは、フニャリを 愛していたよ 毎日、愛をささやいて キスして、抱擁して 花束もあげたよ けれども、フニャリは 浮気をしたよ 軽い気持ちで、した浮気だよ クニャリは怒って フニャリを責めたよ 彼女は黙って、不機嫌な顔 …

さみしい病人の、それはさみしい最期

さみしい病人がいました さみしい病人は、入院していました さみしい病人は、男でした さみしい病人は、年齢不詳でした さみしい病人は、住所不定でした しかし、誰も気にかけませんでした さみしい病人は、不治の病でした しかし、死に至る病という訳ではな…

哀しい一族と、その他の一族

哀しい一族 哀しい男が、哀しい女と 出会って、恋して 哀しい、男の赤ん坊が産まれた 哀しい子供は 哀しい父親と 哀しい母親に 哀しい子守唄や 哀しい昔話を聞かされ 哀しい教育方針のもとに 哀しい学校に入り 哀しい学歴を手に入れ 哀しい会社に就職し 哀し…

革命のための音楽会

月の見える丘で 大規模な楽団が 夜空を眺めていた その時、一個の流星が、月を襲った 月は、素早くよけた しかし、彼を吊るしていた ピアノ線が切れた 月は落下する 星たちは拍手する オーケストラの演奏が始まる 指揮者は、髪を振り乱す 月は我を失い、絶叫…

芸術への理解はある人

小さい額縁に 炎が描かれた 油絵が入っていました その炎に、煙草を近付けると ちゃんと火が点きました ある時、この絵の持ち主が 誤って、指で炎を触ってしまい 火傷を負い、怒りに任せ 傍にあった、花瓶の水をかけました ジュッという音と同時に 炎の絵は…

本当に待っているのは?

あなたは、待つ人に過ぎない しかも、待ち人は来ない 手紙も来ないし、電話連絡もない なぜなら、あなたは 電話もないし、郵便受けもない 待ち人は待ち人で 電話局も郵便局も、信用していない あなたは今日も、三階の窓辺で佇む 昨日も一昨年も、そうだった …

私の辞書

私には 行く場所も 帰る場所も、ない だから、私の辞書には いってきますも ただいまも、ない そして、私には さよならを言う 相手もいない だけど、私の辞書には さよならだけは きちんと、記されている それは、たぶん 自分に、さよならする時に 使用する…

汚れきってはない男

汚れちまった とにかく、汚れちまった どんなに洗っても、落ちないくらい 汚れちまった 汚れちまった ああ、恥ずかしい こんなに汚れちまって うしろめたい話だよ こんなに汚れちまって もう、どうしようもないから 汚れちまって、汚れちまって 頭が変になり…

今は亡き、アイツへの弔辞

着飾らしてやりたかった 毎日、いつ何時でも 裸でいるしかなかった アイツを 着飾らしてやりたかった 自分のプライドを守るために 服を着る者、着る者に 暴言を吐く、時には殴る アイツを 着飾らしてやりたかった 人に隠れて ファッション雑誌を眺めつつ 思…

誰も救われない病院

夜しか開業していない 暗い街の、暗い病院の、暗い診察室で 暗い医師と、暗い看護師と、暗い患者Aが 「いっそ、三人で死にましょうか?」 と、暗い相談をしている その頃、暗い待合室の 黒い長椅子に座っている 暗い患者Bに、暗い受付の女が 「私、この仕事辞め…

占有権を主張する私

誰がドアを開けるだろう 私は「帰れ!」と言うだろう 鍵を掛けていないのは 私のミスではあるけれど 不法侵入してもいい そんな理屈は通らない 尤も、ここは私の家じゃない さっき忍び込んで、居座って まだ、間もないという状況だ 誰かがドアを開けるだろう …

このアボカド、どうする?

アボカド これは、爆弾として 三流である 少なくとも レモンほどの 爆発力はない 古いビルを 破壊するのに レモンなら、一個で済むが アボカドだと 五個以上、必要になる ライムでさえ 三個で十分なのに アボカド 繰り返しになるが これは、爆弾として 三流…

憂鬱と拳銃、獣と遭遇した話

私は、ある時 二匹の獣を見た それは人の姿にも見えた しかし、それは、目を凝らせば 確実に、獣だった 一匹の獣は、疲れて眠っていた もう、一匹の獣は、こっちを見ていた 怒りとも、哀しみともつかない 何とも言えない、表情をしていた 私は、いつも、拳銃…

あの人の関係者同士の対話

あの人は、死んだそうですね ええ、あの人は自殺しました その死に方は、悲惨でしたか? ええ、あの人らしい、悲惨な最期でした あの人は、遺書を残したのでしょうか? ええ、あの人らしい、惨めな内容のものを それを私に見せてもらえませんか? それは、あ…

私と君と、オルガンと

私はオルガンを弾きましょう 君はピアノを弾くのです ピアノがないなんて言わないで 運んで来ればいいのです 私の弾いてるオルガンも どこかの誰かのオルガンです 私はオルガンを弾きましょう 君はピアノを弾くのです ピアノはどこなんて言わないで 音楽室に…

君は病人、私は優しい見舞い客

花束をあげるよ 君は病気だから 花束をあげるよ僕は君が嫌いだから 花束で叩くよ花束が全て散るまで 必死になって、叩くよ血が出ても知らないよ ま、医者に診てもらうといいよとにかく僕は、君を叩くよ 花束で叩くよ 君が嫌いだという、意思表示だよ君は病気…

わからないプレゼント、これ、どこで見つけたの?

アナタが花屋で 薔薇の花束を買っていたから 私へのプレゼントに違いないそう思っていたのに アナタが、私にくれたものは木箱いっぱいの 多種多様な 錆びた鉄屑、五キロぶん「あの時の薔薇の花束は 一体、誰にあげたの?」私は聞きたくても、聞けず 用意してい…