詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

詩・散文詩・1~2行句

短詩ばかり、三篇ほど その二

真のグルメ?グルメ気取り? 冷たいスープに よく洗った、小さな電気クラゲを 丸ごと、生きたまま入れると スープに、微量の電流が走り まさに、痺れるほどの、美味しさになる 特に、食通になってくると 一匹じゃ、もの足りず 小さな電気クラゲを、二匹、三…

短詩ばかり、三篇ほど その一

一捕獲二甲殻類 背中の下の方に 海老の尻尾が 生えている蟹 その名も、海老尾蟹は 元々、何の変哲もない 典型的な、蟹らしい蟹だったが 何時の間にか、突然変異し、進化し 従来の横移動に加えて バックも可能となった 我々、人間にとっても 捕獲して、食べる…

間違い電話の対応について

(電話が鳴った) はい、もしもし はい はい はい 違います! 私が電話のつもりで 持っている、受話器は コーヒーカップです ごめんなさい さっき鳴ったベルは おそらく、隣人の電話です それを知りつつ 見栄を張っていたのです それでは、失礼します 何です…

ニャワンと聞いたら、すぐ逃げて

犬猫は、ちょうど犬と猫を 足して二で割ったような、姿をしている だから、ある人は 「あれは犬だ」と言い また、ある人は 「あれは猫だ」と言う 犬猫は、外見では 全く、判別がつかないが 鳴き声が「ニャワン、ニャワン」なので みんな、この動物が 犬でも…

お嬢さん、なぜ私を、そんな目で

黒く短く しっとりした 美しい髪の 華奢な、白い素肌の お嬢さん はっきり、くっきりした眉 長い睫毛の 一重だけど、大きな瞳の お嬢さん 君の柔らかい耳たぶを 私の唇で引っ張ったら 空から、くす玉が降りて来て パカッと割れて 二人を祝福してくれる そん…

ある動物園一の哲学者、厭世猿

ある動物園の猿山にいる、厭世猿は つい、この前まで、人間だった しかし、自分が人間であることが 嫌で嫌で仕方ない そう苦悩し続けた結果 猿へと退化した 本人は、進化だと思っている 他の猿たちが 厭世猿の周囲で キーキー、キーキー 楽しそうに、はしゃ…

サンドバッグピッグに食べ物を

サンドバッグピッグは 身体が退化して、足がない 顔だけあって、首はなく まるで、大きなハムみたい そして、臀部に アンテナみたいな尻尾が 誇らしげに立っている サンドバッグピッグは 殴ってよし、蹴ってよし タックルしてよし、投げ飛ばしてよし 顔面に…

ダンシングピッグの屠殺方法

ダンシングピッグは 後ろ脚が長い 尻尾を引っ張ると 背筋をピーンと伸ばして すぐに立ち上がる そして、レコードをかける 例えば、ワルツ とても、豚とは思えないくらい 優雅に、ダンスを踊り始める 音楽が流れている間は 一時間でも、二時間でも 倒れるまで…

バイオテクノロジーの成果

鉢植えの鼠ツリーを買った 木の周囲に四つ、チーズを置いて 毎日、水をやった 春になって 枝から、鼠の尻尾のような 細い茎が無数に出て、垂れ下がり その先端には、桃色の実がなっている 実は、しばらくすると 鼠の胎児のように変化し 更に十日もすると、形…

お願いですから、ピアノを弾いてください

さあ、女 ピアノを弾け その長い指を 自慢するように ピアノを弾け! さあ、女 ピアノを弾け その長い髪を 振り乱しながら ピアノを弾け! さあ、女 ピアノを弾け この長い曲を 飽きさせない感じで ピアノを弾け! さあ、女、ピアノを弾くんだ 作曲者の私を…

風邪の原因

敷物のような猫がいる 平べったくて、毛の肌触りが良く 面積が一畳もある まるで、亀のように ゆっくり、這って歩く 敷物のつもりで、誰かが乗ると かなり痛がり、尻尾を直立させて 怒りの奇声を発する 敷物にはならないが 毛布代わりにはなる もちろん、上…

弱虫たちの生きる術

弱虫は、もっと弱い虫を 捕獲し、食べて 生きるしかないのだが 弱虫は、弱虫だけに せっかく、もっと弱い虫を 捕獲し、気絶させたのに 「もしかしたら、食中毒になるかも?」 と、ビクビクし、躊躇して 生まれてから、一度も食事をせず 餓死するケースが、大…

猫に訪れた二つのサプライズ

猫の、右の、前足の、肉球が どんどん、どんどん、膨らんで もう、その大きさは、猫の顔と変わらない 「どうしたんだ?」 通りすがりの男が訊いた 「わかりません」 猫は、泣きそうな顔で答えた 「まだ、膨らんでいる!」 「傷みはないんですけど」 次の瞬間…

言葉はいらない

無口な子 何も語らず ずっと、考え事をしている 何を考えているかというと 他人に、まず、何を語るべきか?である しかし、こんな簡単な、というより どうでもいい話の結論が 何年経っても、出やしない やがて、無口な子は 無口な青年となった この頃、彼の…

神の悪戯、ねじれ鼠

ねじれ鼠が、地下室で 何やら、ジタバタやっている たぶん、絞った雑巾みたいに 捩れた身体じゃ、おさまりが悪くて 飛んだり、跳ねたりすることで 身体を伸ばそうと、しているのだろう 生まれてから、ずっと 身体の捩ればかり気にして 何とか、自分の力で 矯…

一服虫、たばこ畑でつかまえて

一服虫は、白く細長い 芋虫のような形状で 尺取り虫のような動きをする 強力な前歯を使って 煙草畑の葉を、バリバリ食べる 腹が一杯になると 後ろの方が、茶色く変色する 刻まれた葉は、体内で 次第に乾燥していく 捕獲し、二・三回振ると 気絶して、身体が…

埴輪と土偶の漫才

小規模ながら、満席の演芸場で 埴輪と土偶の漫才師『古代ドールズ』が ネタに入る前の、つかみとして フリートークを始めた 「お前、顔色悪いな」 「お前の方こそ、土色じゃないか?」 「お前、病気だよ」 「病気は、そっちだよ」 「じゃあ、どっちが強いか…

片想い猫の一週間

月曜日、片想い猫 出会う 火曜日、片想い猫 空想に耽る 水曜日、片想い猫 追跡する 木曜日、片想い猫 告白する、フラれる 金曜日、片想い猫 襲う、色々と邪魔などあって、失敗 土曜日、片想い猫 車に轢かれる、自殺の可能性アリ 日曜日、片想い猫 血だらけの…

どぶ男ドブオの話、前編と後編

どぶ男ドブオ? どぶ男ドブオ、どぶ川に定住 いつも、顔だけ出して、泳いでいる 彼が愛する、どぶ川の中には 捨てられた傘、捨てられた自転車 捨てられたマネキン、捨てられた拳銃 捨てられた猫の死骸、など 捨てられたものが、いっぱい 「ドブオ、お前も捨…

良かったら、獣医を紹介します

頭が変になった猫が 背中を地面につけて ジタバタ、体をくねらせながら 「病気になってしまった! 誰か、医師を呼んでくれ!」 と、大声で叫び始めました そこへ、大勢の野良猫たちが集合して 「大丈夫か?落ち着け!」 と、頭が変になった猫を抑えつけまし…

婚活とハネムーン

働き者の蜘蛛がいた とにかく彼は、四六時中、よく動いた 自分の巣を延々と、拡張していった 餌になる、蝶だの、蜻蛉だの 虫をいっぱい、捕獲、貯蔵した 地域一の大豪邸に住む 大変な資産家である この働き者の蜘蛛は独身で ある時、こう決意し、宣言した こ…

埋もれてゆく女画家の話

不幸な女です 他人は誰も、気付いていませんが 間違いなく、不幸な女です 「アナタって幸せね」 そんなこと言われことのない 友人などいない 恋人はいたが そのせいで、人間不信になった 不幸な女です 菜食主義者には珍しい 野良犬や野良猫の 虐待が趣味の …

増えては死ぬ、黒猫たち

夜空を猫型に 切り取ると、黒猫になる 誰かが軽い気持ちで 夜空を弄んで 黒猫を増やしているらしい 夜空に帰りたい そんな黒猫たちが、ビルの屋上から 月に向かって、飛ぶけれど みんな、地面に落ちて、死んでしまう これは、自殺じゃない これは、帰宅途中…

鉄猫の、それは長い余生

鉄猫は硬く 重く、強い そして黒い みんな、鉄猫が 気にくわない どうしてだろう? 棒で殴りたくなる 実際、全力で殴ってやる けど、鉄猫は痛がらない ニャア、とも言わない 逃げようともしない あくびをする余裕もある だから、みんな 一段と、コイツを攻撃…

前向きな決断

思い出せない 忘れようがない 短い言葉だったのに どうしても、思い出せない 数種類の辞書を買って 全ページをチェックしたのに 私が忘れてしまった言葉は どこにも載ってない しかし、ふと ある人から、「ところで君、名前は?」 と訊かれて、やっと思い出し…

たとえ役所に届けても、きっと無視される

女は、カラスの赤ん坊を産んだ もちろん、性交した相手はカラスではない しかし、今、女が母乳を与えている赤ん坊は 誰がどう見ても、鳥であり 一応、図鑑で調べてみたところ カラスに間違いなかった 女は、無性に腹が立ってきた 病院の窓から、放り投げてし…

救世主を待つ人

困っている人よ 私の目の前にいる 困っている人よ 助けてくれる人を 待っているのか? 私が、その人だと 期待しているのか? 困った人だ 私は何も持っていないし 何もしてあげられないのに なんて、困った人だ 困っている人よ 私の助けを、一瞬でも 期待した…

思い込みの激しい私

サナギがありました それは、蝶のサナギに見えました ずっと観察していました やがて、パカッと割れました 中から、大量の数字が零れ出てきました 「これは、何かの暗号では?」 そう考え、地面に落ちている数字を拾って 何度も並び替えて、暗号解読に励みまし…

英語名、ラブバタフライ

その蝶を、捕まえては いけません その蝶は、伝達蝶です 今、Aさんの愛の言葉を記憶して Bさんの家まで、向かうところです Bさんの身体に その蝶が触れると Aさんの語った愛の言葉が そのまま、伝達されるのです その蝶を、捕まえては いけません Aさ…

ある鼠部隊の結末

鼠隊長と、鼠副隊長が 敵猫と遭遇した 鼠隊長は言った 「突撃せよ、鼠副隊長!」 鼠副隊長は答えた 「私には、副隊長としての責任があります 安易な突撃命令は、了承出来ません!」 鼠隊長は怒った 「さては、臆病風に吹かれたな お前なんか、副隊長解任だ!…

宇宙からの手紙

私は死んで 星になりました 貴方に探して、欲しいけど まさに、星の数ほど、星はあるので 一生懸けても、無理でしょう 所詮、大して輝きもしない 地味な、小さい星に過ぎません 貴方が、市販の望遠鏡を購入したところで 無駄な出費になるだけでしょう 地球に…

週末、ラッパ吹いてブギウギ

週末の私は オモチャのラッパを吹きつつ あちこち、歩き回る たくさんの人たちに 「うるさい!」と、叱られる しかし、私はラッパを吹き続ける 私の演奏を気に入らない たくさんの人たちは 集団であることを生かした 物理的強制力をもって 私から、ラッパを…

魔性のランプ

さみしいランプに 一匹の蛾が、恋をした 蛾は、ランプの周囲を飛びながら 彼女に、「好きだ」と告白をした さみしいランプは、沈黙を守った その態度に、蛾は堪らず 彼女に向かって、体をぶつけた ボッと、火が点いた 蛾は、チリチリと音をたて 床に落ち、…

薔薇が咲いた

雨が降る中 庭園の薔薇が 蕾ながらに 考え事をしていた 不意に、答えが出た 蕾が、パッと開いた その瞬間、答えを忘れてしまった 雨が、強くなった 風も、強くなった 水も滴る、赤い薔薇が 艶かしい姿で、揺れている 「恥ずかしい」と、薔薇は思っていた そ…

月と星とピアニスト

深夜、ある一流ピアニストが 両手で鍵盤を、思いっきり叩いたら ジャーンと、大きな音がして 夜空の星が、全て墜ちました 月だけが残されて ずっと、泣いていました そして、ピアニストは 月しかない、夜空を見つめて その罪深さに失神し そのまま、気が触れ…

思いがけない孤独

彼は、幼い頃から 空を飛びたいと思っていた ある日、夢が叶い 何の前触れもなく 蝶に変身していた 必死になって、両羽を動かした 家の屋根の上まで、浮いていた そこから見える光景に、感動していた やがて、羽を動かすのが、億劫になった というより、疲れ…

則天去私、運命の意味について考えてみても、答えは、こじつけでしかない

夜、ぐっすり眠っていたら 何者かに、左腕を奪われて その時は、悪い夢だと そのまま、眠ったが 朝、目が覚めたら それは、現実だった 痛みはなかった 出血の痕もなかった ただ、呆然とするばかりで 涙も出なかった 月日は流れて 片腕を失った日常にも 慣れ…

自覚があるような、ないような

頭が変になりそうなほど さみしい時の私は 唄います 踊ります 叫びます 壁にぶつかります 床に転がります 外へ飛び出します あちこちに落書きします 壁でも地面でも、お構い無しです そして、自作を大声で論評します 通行人にも、意見を求めます たいがい、…

昔、益虫、今は?

金食い虫は 一円玉を好んで食べる そして、糞をすると それが黄金に変化している もう、世界に数匹しかいない 非常に貴重な虫である 繁殖に成功すれば 大変な経済的利益をもたらすことは 間違いないのだが 現存する、金食い虫は 全て年老いているので 生きる…

秋の1~2行句集 (30篇) その3

芸術の秋、油絵入門の本を買ったが、読書の秋で終わる 秋の熱燗、冬の予行演習 アイスの溶け方で、秋を知る 失踪するなら、秋にしようと決めている 秋の雑草は憂鬱そう 枯れたヒマワリ相手に、ハイキックの練習 稲刈り見飽きたら、秋空眺めている 今年初めて…

秋の1~2行句集 (30篇) その2

何の秋?結局、何もしない秋 渡り鳥、旅費の要らない、憎いやつ 新米は、コンビニ弁当で食べている 秋の虫、声は良いけど、顔面が 雑誌丸め、部屋に侵入して来た、蟋蟀に立ち向かう 月が出たくらいで、よいっよいっだなんて、昔の日本人はお気楽 秋の七草知…

秋の1~2行句集 (30篇) その1

紅葉って、飛び降りしても、叫ばない 紅葉狩り、モチベーションが上がらない 名月を崖の下から眺めている、訳アリで 猫の眼を、月だと思って、見つめ合う 風がススキと、合気道の特訓 台風来た、野良猫たちは、どうしてる? ミノムシ並みに落ち葉をまとった…

夏の1~2行句集 (30篇) その3

風鈴が、タイマーかけたみたいに、同じ時間に鳴り出す サクランボを口の中で苛め抜く 桜桃が、サクランボとは紛らわしい 特技は、桃の皮を、それは綺麗に剥くことです 美人がカタツムリを踏み潰したくなるよな、梅雨の憂鬱 幽霊の出る部屋に、あえて入居する…

夏の1~2行句集 (30篇) その2

虹の滑り台、ただの死刑台 一人がビニール傘を盗めば、窃盗の連鎖が止まらない 蝿と蚊に、同時に好かれて、今夜は眠れない 蜥蜴は、年老いた壁の隙間から生まれる モグラの死骸、散々命乞いしたまま、固まっている感じ 飛んで来たカナブンの奇襲を、額の壁が…

夏の1~2行句集 (30篇) その1 

とんでもない雷の日には、臍くらいやるよと思う 水で溶かして絵を描きたくなるよな、雨蛙 初めて開いた中国製の傘、いきなり壊れている この甕の梅干しは、子に孫に伝えるタイムカプセル お地蔵様にレインコートかけて、凄く期待する 梅雨が終われば、乾燥機…

不死鳥の苦悩は続く

不死鳥は、死にたがっていた 色々と自殺の方法を研究したが 何をやっても、結局、死ねなかった 不死鳥は、死ぬ気で頑張って 自力で天国まで、飛んで行った そして、神様を訪ね 「死にたいんですけど」 と、ざっくばらんに相談すると 神様は、不死鳥を強く抱き…

クニャリやフニャリや二ャニャリたちの物語

クニャリ、後悔先に立たず クニャリは、フニャリを 愛していたよ 毎日、愛をささやいて キスして、抱擁して 花束もあげたよ けれども、フニャリは 浮気をしたよ 軽い気持ちで、した浮気だよ クニャリは怒って フニャリを責めたよ 彼女は黙って、不機嫌な顔 …

名前の由来について

名もなき鳥が 名前を探し求めて 空を飛び回った しかし、空には 名もなき鳥の、名前なんてなかった 仕方がないので 名もなき鳥は 名前を探し求めて 地上を歩き回った しかし、地上にも 名もなき鳥の、名前なんてなかった 仕方がないので 名もなき鳥は 名前を…

さみしい病人の、それはさみしい最期

さみしい病人がいました さみしい病人は、入院していました さみしい病人は、男でした さみしい病人は、年齢不詳でした さみしい病人は、住所不定でした しかし、誰も気にかけませんでした さみしい病人は、不治の病でした しかし、死に至る病という訳ではな…

もがき虫の習性

もがき虫は ただ背中を地面につけて 転がっているだけなのに 何の危険もないのに 想像で、水中にいるつもりになって このままでは、沈んで行くと勘違いし 手足をバタバタさせ、もがき続ける もがき虫は 疲れて眠ってしまった時も 夢の中で、やっぱり、溺れて…