本当に待っているのは?
あなたは、待つ人に過ぎない
しかも、待ち人は来ない
手紙も来ないし、電話連絡もない
なぜなら、あなたは
電話もないし、郵便受けもない
待ち人は待ち人で
電話局も郵便局も、信用していない
あなたは今日も、三階の窓辺で佇む
昨日も一昨年も、そうだった
高い場所から、通りすがりの
あらゆる人々を眺める、そんな毎日
そして、来やしない待ち人に
思いを寄せて、ため息をつく
それが、あなたの現状であり
それが、あなたの義務となっている
また、噂じゃ、待ち人は
あなたのことなんて、完全に忘れて
色々なことを、色々な人と
よろしくやっている
あなたは、それを知りながら
今日も明日も、来年も再来年も
待つ人でいようとする
心の中で、いっそ待ち人が
「死んでくれたら」と、願いながら