詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

複雑な心境

 

海底に、年老いた巨大蛸が

泥のように、生息していた

 

しかし、もう、死にかけなので

脚一本しか動かない、墨も吹けない

 

仲間の若い蛸たちが

当番制で、生死の確認をする

そして、食事も運んでやる

 

「おーい、爺さん

調子はどうだ?」

と、若い蛸が大声で呼びかけると

年老いた巨大蛸は

ゆっくり、脚を一本上げ

食事を要求する

 

この時、多くの若い蛸は

安心すると同時に

 

何故だか、「チッ」と

舌打ちを鳴らしてしまう