2016-08-29 複雑な心境 寓話・童話・昔話 海底に、年老いた巨大蛸が 泥のように、生息していた しかし、もう、死にかけなので 脚一本しか動かない、墨も吹けない 仲間の若い蛸たちが 当番制で、生死の確認をする そして、食事も運んでやる 「おーい、爺さん 調子はどうだ?」 と、若い蛸が大声で呼びかけると 年老いた巨大蛸は ゆっくり、脚を一本上げ 食事を要求する この時、多くの若い蛸は 安心すると同時に 何故だか、「チッ」と 舌打ちを鳴らしてしまう