詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

未亡人と機械と博士の弟子たち

 

博士は死んだ、十年も前に

機械が残った、庭の隅の

十畳のプレハブ小屋の中に

 

この機械は、博士が開発した

この機械は、意外に大きい

この機械は、歯車が無数にある

この機械は、半導体が無数にある

この機械は、電気とガソリンで動く

この機械は、常に熱をおびている

この機械は、決まった時間に煙を出す

この機械は、何の役に立つのか、わからない

 

博士の命日になると

多くの弟子たちが、揃って博士宅を訪れる

そして、この機械の前で、酒を飲みながら

博士の思い出について、語り合う

 

毎年、博士の妻は、決まってこう言う

「この機械、止めてしまう訳には

いかないのでしょうか?」

弟子たちは、凄い剣幕で

「とんでもない!」と怒る

そして、「失礼かも知れませんが」と

全員、燃料代と書かれた、封筒を差し出す

博士の妻は、それを恥ずかしそうに受けとる

 

この機械は

博士の弟子たちに、崇拝されている

しかし、この機械は

博士の妻には、負担でしかない

 

 

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