詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

芸術への理解はある人

 

小さい額縁に

炎が描かれた

油絵が入っていました

 

その炎に、煙草を近付けると

ちゃんと火が点きました

 

ある時、この絵の持ち主が

誤って、指で炎を触ってしまい

火傷を負い、怒りに任せ

傍にあった、花瓶の水をかけました

 

ジュッという音と同時に

炎の絵は消えて

煙の絵になってしまいました

 

絵の持ち主は、火傷を治療するため

近所の病院へ向かいました

 

実はまだ、絵の中の炎は

完全に消火された訳ではなく

それどころか、復讐に燃え

その火力は増大し

まず、額縁を焼き

そのまま家の壁を焼き

やがて、家全体を、炎で包み込みました

 

病院から帰って来た、絵の持ち主は

闇夜に燃え盛る、我が家を見て

「まるで、絵のように美しい!」

と、感想を漏らしましたが

まさか、あの額縁の絵が出火原因だとは

想像もしていないことでしょう