詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

失恋の傷痕が観光資源に

 

クラゲが失恋をした

 

何もかも忘れたくて

クラゲは、泣きながら、回転し続けた

 

「回るしかない、回るしかない

止まったら、死にたくなる」

 

クラゲは、そう思いながら

どんどん、回転速度を上げていった

 

「回るしかない、回るしか・・・」

 

クラゲは、そう思いながら

身体がちぎれそうになるくらい

ひたすら、激しく、回転し続けた

 

「回る・・・」

 

やがて、クラゲは

溶けて消えてしまった

 

これも、失恋を苦にした

自殺のひとつに数えるべきか?

ちょっと、判断が難しい

 

ちなみに、クラゲの死後

海上には、大きな渦が出来て

それは長く長く、存在し続け

 

今では、「鳴門のうず潮」

なんて、呼ばれている