詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

クニャリやフニャリや二ャニャリたちの物語

 

クニャリ、後悔先に立たず

 

クニャリは、フニャリを

愛していたよ

毎日、愛をささやいて

キスして、抱擁して

花束もあげたよ

 

けれども、フニャリは

浮気をしたよ

軽い気持ちで、した浮気だよ

 

クニャリは怒って

フニャリを責めたよ

彼女は黙って、不機嫌な顔

だから、クニャリは、感情的になって

フニャリの横顔、ひっぱたいたよ

 

こうして、フニャリは出て行ったよ

キザなスニャリと、暮らし始めたよ

 

よりにもよって、クニャリが

この世で一番嫌いなスニャリと

婚約するそうだよ

 

クニャリは、反省しているよ

クニャリは、反省しきりだよ

けれども、フニャリはスニャリの女

もう、帰っては来ないだろう

とにかく、フニャリはスニャリの女

 

クニャリは、反省、するだけさ

 

 

飼い猫二ャニャリの失踪

 

スニャリは、ギターを弾いてるよ

フニャリは、それを聴いてるよ

 

クニャリは、それを覗いてる

 

スニャリは歌う、愛の詩

フニャリは酔いしれ、いい感じ

 

クニャリは、それを覗いてる

 

スニャリは、彼女の髪撫でる

フニャリは笑顔で、嬉しそう

 

クニャリは、それを覗いてる

 

二人は、抱き合い、キスをする

 

クニャリは、覗くの止めにして

急いで、そこから逃げ出した

 

スニャリの家の、庭は広い

 

クニャリの心の、傷は深い

 

クニャリは、ギターを購入し

それから、作詞も挑戦中

 

あまりに酷い、雑音で

飼い猫の二ャニャリ、家出した

 

スニャリは、ギターが得意だよ

フニャリは、うっとり聴いている

 

クニャリも、ギターを弾いている

けれども、誰も聴いてない

 

飼い猫の二ャニャリ、失踪中

 

クニャリがギターをやる限り

飼い猫の二ャニャリ、帰らない

 

 

飼い猫二ャニャリの一時帰宅

 

フニャリは、スニャリと別れたよ

婚約寸前だったのに

 

スニャリの母が原因だ

「家柄が違う」ってな訳だ

 

フニャリは、ショックで寝込んだよ

スニャリは、お見合いするらしい

 

スニャリの母の紹介だ

「家柄がつり合う」ってな訳だ

 

クニャリは、チャンスと思ったよ

急いで、お見舞い、駆けつけた

 

そこでクニャリが、見たものは

フニャリとミニャリがキスする姿

 

ミニャリは確か、女だよ

フニャリも確かに、女だよ

クニャリは、混乱していたよ

 

窓から見える、この光景

思わず、花束落としたよ

 

それに気付いた、彼女たち

クニャリを睨んで、カーテン閉めた

 

「男なんか、大嫌い!」

 

クニャリは、自宅へ戻ったよ

飼い猫の二ャニャリ、家にいた

 

クニャリは、二ャニャリを抱きしめて

あーだね、こーだね、語ったが

二ャニャリは、迷惑そうだった

 

二ャニャリは、失踪するだろう

再び、クニャリを捨てるだろう

クニャリは、それに気付かない

 

クニャリは、本当に、オメデタイ

 

 

完全なる駄目男、彼の名はクニャリ

 

クニャリは、孤独な男だよ

フニャリに、フラれた男だよ

飼い猫の二ャニャリも、もう、いない

 

クニャリは、毎日、何もしない

仕事もしない、出掛けもしない

たまにするのは、下手なギター

自作の歌詞で、下手な歌

 

お隣のドニャリやって来た

「近所迷惑」ってな訳だ

 

それでもクニャリは、怯まない

ギターを弾きつつ、即興で

「ドニャリはブ男」、歌ったよ

 

当然、ドニャリは怒ったよ

ドニャリは、体重百十キロ

クニャリなんかは、目じゃないよ

 

それでも、クニャリは、怯まない

「ド、ド、ドニャリの肥満体!

ド、ド、ドニャリの豚モドキ!」

気に入った「ド、ド、ドニャリ」を連呼する

 

しかし、ドニャリは大人だよ

ケンカをすれば勝てるのに

何も言わずに、立ち去った

「こんな馬鹿、放って置け」ってな訳だ

 

残ったクニャリは、まだ歌う

「ドニャリに嫁さん、来ない、来ない

見た目が問題、来ない、来ない」

 

問題なのは、クニャリだよ

かなり病んでる、クニャリだよ

症状悪化しないうち

 

誰か、病院、連れてって!