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詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

氷男二人の哲学的対話

 

氷男の人生観

 

氷男は、夏に生まれて

秋には死ぬ

 

プールや海を歩いて

人々に、ペタペタ触ってもらい

涼んでもらうのが

主な仕事であり、宿命である

 

氷男Aは言った

「北極か南極にでも、行きたいね」

氷男Bは答えた

「どうやって?」

 

「言ってみただけさ」

「虚しくなるだけさ」

「君はクールだ」

「君はフールだ」

「我々はツールだ」

「世界はシュールだ」

「その通り、世界はシュールさ」

 

氷男は、夏に生まれて

秋には死ぬ

 

プールや海で働いて

人々に、ペタペタ触ってもらい

涼んでもらうのが

主な仕事であり、宿命である

 

 

氷男の厭世観

 

氷男は、夏に生まれて

秋には死ぬ、はずだった

 

プールや海を歩いて

人々にペタペタ触ってもらい

涼んでもらうのが

主な仕事であり、それが終われば

溶けて死ぬのが、宿命のはずだった

 

しかし、所属する事務所の方針が変わり

取り敢えず、来年の夏も

場合によっては、その先の夏も

氷男AとBは、働かされることとなり

巨大冷蔵庫に保管されることが決まった

 

寿命が延びた、というより

何らかの事故でもない限り

不老長寿の身となっていた

 

氷男Aは言った

「科学の進歩は素晴らしいね」

氷男Bは答えた

「こんな所に、閉じ込められているのに?」

 

「だけど、こうして話も出来る」

「ただの囚人さ」

「君はクールだ」

「君はフールだ」

「我々はツールだ」

「その通り、我々はツールだ」

「そして、世界はシュール?」

「いや、我々に世界なんてない

 ここは刑務所ですらない、ただの棺桶さ

 生きながら、墓の中にいるのさ」

 

氷男は、夏に生まれて

秋には死ぬ、はずだった

 

しかし、我々、人間のエゴにより

ほぼ永遠の命を手にいれることとなった

 

永遠の虚無と引き換えに