三匹の子豚と遺産相続
あるところに
三匹の子豚の兄弟がいました
子豚とはいえ、豚的常識でいうと
もう、自立していい歳だったので
それぞれ、親許を離れ
自分の家を建てました
最近、狼がらみの物騒な事件が多いので
三匹とも、頑丈なレンガの家を建てました
ただ、次男、三男が
機能性より、外観や内装を意識した
モダンアート建築であるのに対し
長男だけは、バリアフリーを意識した
機能性重視の、二世帯住宅だったので
しばらくすると
両親もそこに、住むようになりました
そして、両親が亡くなった時
長男は、遺産の独り占めに成功しました
次男と三男は、いつまでも
ブーブーと、文句を言っていましたが
長男は、薄ら笑いを浮かべて
「父さん、母さんを
最期まで、面倒見ていたのは俺だ
こんな遺書も残っている」
と、全く相手にしませんでした
「兄さんなんか、狼に食われちまえばいい」
毎晩、酒場で、そう愚痴をこぼす、弟たちに
どうか、宝くじでも、当たりますように