詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

三匹の子豚と遺産相続

 

あるところに

三匹の子豚の兄弟がいました

子豚とはいえ、豚的常識でいうと

もう、自立していい歳だったので

それぞれ、親許を離れ

自分の家を建てました

 

最近、狼がらみの物騒な事件が多いので

三匹とも、頑丈なレンガの家を建てました

 

ただ、次男、三男が

機能性より、外観や内装を意識した

モダンアート建築であるのに対し

長男だけは、バリアフリーを意識した

機能性重視の、二世帯住宅だったので

しばらくすると

両親もそこに、住むようになりました

 

そして、両親が亡くなった時

長男は、遺産の独り占めに成功しました

 

次男と三男は、いつまでも

ブーブーと、文句を言っていましたが

長男は、薄ら笑いを浮かべて

「父さん、母さんを

 最期まで、面倒見ていたのは俺だ

 こんな遺書も残っている」

と、全く相手にしませんでした

 

「兄さんなんか、狼に食われちまえばいい」

毎晩、酒場で、そう愚痴をこぼす、弟たちに

 

どうか、宝くじでも、当たりますように