詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

天使のような、悪魔のような

 

叱られ天使は

誰に対しても

ペコペコしていた

謙虚というより

卑屈といった方が、ふさわしかった

 

とにかく、どんな理不尽な相手に対しても

土下座までして、謝罪した

 

そして、月日は流れ、その心の闇は広がり

 

現在は、悪魔のような姿に変貌し

悪魔界でも、知られる存在となっていた

 

元叱られ天使が

一体、どうやって

悪魔界で名を挙げていったか?

 

とにかく、毎日がケンカ

仕掛けるのは決まって、元叱られ天使

相手の悪魔が戦意喪失し

土下座して謝っても

全体重をかけ、後頭部を踏み

絶対に許さない

 

しかも、この時の彼の表情ときたら

天使時代には見られなかった

飛び切りの笑顔をしている

 

「アイツこそ、悪魔の中の悪魔だよ」

と、他の悪魔たちはみんな

叱られ天使を、第一級の悪魔と認め

いつか、大悪魔帝国の

大統領になる器だと信じて

後援会まで出来つつあるが

天使界国籍の者に

大悪魔帝国大統領の、立候補資格はない

 

悪魔たちは知らないのである

あの残虐非道な彼が、元天使であることを