浦島太郎の後悔
私が竜宮城から帰って来て
絶対に開けてはいけない
と、向こうで約束した玉手箱を
つい、開けてしまうと
そこには、ぎっしり
亀の子が敷き詰められていました
彼らは、私に、こう訴えます
「我々は、親に捨てられました
これからは、貴方を親と慕って
生きていくしか、道がありません
憐れと思って、助けてください」
困った私は、取り敢えず
玉手箱の蓋を閉め
彼らの今後について、考えてみました
そして、この子亀たちの
親亀を苛めていた子どもたちに
数匹ずつ、分けてやることにしました
親に捨てられた、可哀想な子亀だと
ちゃんと事情を話せば
きっと、大事にしてくれるはずです
それにしても、あの親亀が
ここまで無責任な、悪いヤツだったとは
想像だにしませんでした
助けてやって、損した
そんな後悔の念が、消えそうにありません