詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

働き者の工場

 

工場が、商品を作っていた

工場長、その他の社員は、外にいた

それでも、工場は、懸命に働いていた

工場長は、工場に質問した

 

「今、何をどれだけ作っているんだ?」

「教えない」

 

工場長は笑顔で、他の社員たちに

「な?俺だって、何も知らないんだ」

と、肩をすくめつつ伝えた

他の社員たちは、大声を出して笑った

 

工場の煙突からは

白だったり、黒だったり

赤だったり、青だったり

多彩な色の長い煙が

延々と、吐き出され続けている

 

一体、何を作っているかは

工場自身しか知らない

 

余談だが、工場長の月給は三十万円

他の社員たちは、一律で十五万円である

 

みんな仕事中に、工場の近くにある空地で

サッカーをしたり、野球をしたり

缶コーヒーを飲みながら

携帯電話をいじったりしている

 

そんな、良いご身分の社員たちを

この働き者の工場が、どう思っているのか?

それは、全く、想像もつかない

 

ただひとつ、分かっていることは

「工場長、もっと、社員数

 増やしてもいいですよ」

と、工場が発言していることだけである