詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

埋もれてゆく女画家の話

 

不幸な女です

他人は誰も、気付いていませんが

間違いなく、不幸な女です

 

「アナタって幸せね」

そんなこと言われことのない

友人などいない

恋人はいたが

そのせいで、人間不信になった

 

不幸な女です

 

菜食主義者には珍しい

野良犬や野良猫の

虐待が趣味の

子供の頃から、自画像と

実家の小さい家を描くのが好きな

 

不幸な女です

 

彼女は、いつも微笑しています

誰かと会う時も

犬や猫を踏みつける時も

自分の顔を描くため

鑑に映る自分を、見つめる時も

 

実は、彼女は、自分が

不幸である自覚など、ないのです

 

彼女の絵は

彼女の狭いアパートの押入れに

数え切れないくらい存在していますが

おそらく、彼女が死んでも

引き取る人はいないでしょう

 

彼女の、預金や保険金に関しては

誰かが受け取るに違いないのに