詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

一服虫、たばこ畑でつかまえて

 

一服虫は、白く細長い

芋虫のような形状で

尺取り虫のような動きをする

 

強力な前歯を使って

煙草畑の葉を、バリバリ食べる

 

腹が一杯になると

後ろの方が、茶色く変色する

 

刻まれた葉は、体内で

次第に乾燥していく

 

捕獲し、二・三回振ると

気絶して、身体が真っ直ぐになる

 

茶色い部分を、先だけ切って

ウェットティッシュで、軽く拭く

 

白い先端には、頭がある

そこに火を点ける

ジュッと、音が鳴る

 

頭が、ポトリと落ちる

灰のようである

 

数秒後、煙が立ち上る

 

茶色い部分を、くわえる

味や香りは、煙草そのものである

 

気味が悪いし、残酷かもしれないが

煙草農家は、収穫が楽だと

みんな、喜んでいる

 

 

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