一服虫、たばこ畑でつかまえて
一服虫は、白く細長い
芋虫のような形状で
尺取り虫のような動きをする
強力な前歯を使って
煙草畑の葉を、バリバリ食べる
腹が一杯になると
後ろの方が、茶色く変色する
刻まれた葉は、体内で
次第に乾燥していく
捕獲し、二・三回振ると
気絶して、身体が真っ直ぐになる
茶色い部分を、先だけ切って
ウェットティッシュで、軽く拭く
白い先端には、頭がある
そこに火を点ける
ジュッと、音が鳴る
頭が、ポトリと落ちる
灰のようである
数秒後、煙が立ち上る
茶色い部分を、くわえる
味や香りは、煙草そのものである
気味が悪いし、残酷かもしれないが
煙草農家は、収穫が楽だと
みんな、喜んでいる