少女は、追放された、私のせいで
人口のほぼ全てが、泣き女の部落で
一人、か弱い少女がいて
私が懸命に慰めてあげたら
何とか泣きやんで、次第に笑顔になった
私は、実に良いことをした
と、内心、自画自賛していたが
少女は、他の泣き女たちに
笑顔の姿を発見され、写真まで撮られて
部落から、追い出されることとなり
血の繋がった、母や姉とも離れ離れ
自然と、涙がこぼれていた
こうして、少女は
再び、泣き女となり
部落へと帰って行ったが
「どうせ、嘘泣きでしょ?」
と、多くの泣き女たちに責められ
結局、故郷を追われ
帰れなくなってしまった
本当に、申し訳ないことをした
少女には、何と謝ればいいのか?
泣いて謝っても
きっと、許してはもらえないだろう