詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

絶滅危惧種、無防備蟹

 

無防備蟹は

名前の通り

とても、無防備

 

左右の爪は

蕾のように、開かないし

甲羅は透明で、ビニール状

触ると、とても柔らかい

 

「餌をあげるよ」

と、手招きすれば

警戒心などないから

「どうも、すみませんね」

といった感じで

こっちにやって来る

 

捕まえて、水をかける

「食事の前に、お風呂ですか?」

といった感じで、リラックスしている

 

素早く水を切って

電子レンジに、放り込んで

待つこと二分

 

甲羅が、パンパンに膨らむ

そこにフォークを突き刺して、割る

 

熱々のまま

醤油をかけて、食べる

かなり美味い

 

仲間が、このような形で

毎日、命を失っているのに

相変わらず、どいつもこいつも、無防備

 

きっと、近い将来

無防備蟹なんて

絶滅してしまうに、違いない