詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

死への誘い、という名の合唱曲

 

美しい少女が

部屋のあちこちに現れて

みんなで、合唱を始めた

 

それは、聴いたことのない歌だったが

不思議と何だか、懐かしい

 

「ああ、大勢の少女たちが、私のために

 素晴らしい合唱を、披露してくれている

 有り難いな」

 

私は、何故か、この部屋に集合している

自分の身内たちに、そう話をした

 

家族はみんな、涙しながら

私を憐れむように、見つめている

 

「ほら、聞こえるだろう

 素晴らしい歌声じゃないか?

 きっと、名のある合唱団のメンバーだよ

 さあ、拍手をして、讃えよう!」

 

私がベッドから起き上がり

力の限り、拍手をすると

家族がみんなで、私を抑えつけようとする

 

誰かが、「可哀想」と、呟いた

 

私が可哀想だって?

 

可哀想なのは

この素晴らしい歌声が、聴こえていない

お前たちの方だろ?

 

「おい、少女たちに失礼じゃないか?

 ・・・拍手くらい、させてくれよ」

 

妻も、子供たちも

馬鹿みたいに、キョトンとしている

あるいは、泣いている

 

ある叔父さんなんか、この状況で

ニヤニヤ、笑っていやがる!

 

ったく、最低限度のマナーさえ知らない

我が家族、我が一族

 

「教養がないとしか、言い様がない!」


 

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