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詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話や、日常生活にあったことを書こうとも思います。

バケツかぶり族の現実

寓話・童話・昔話

 

バケツ男に、痴漢の容疑がかけられた

 

冤罪だった

 

しかし、交番に連行された

 

当然、弁明をした

 

受け入れてもらえなかった

 

残念ながら、我が国では

バケツかぶり族に、人権の類は

保障されていないから、致し方無い

 

ところで、痴漢で捕まった彼

 

子供時代、顔がバケツというだけで

酷い、いじめにあっていたとのこと

 

地元の権力者の息子に、目をつけられ

学校で会う度、何度も、何度も、木刀で

バケツ部分を、殴られ続けたらしい

 

アルミ製なので、形は変わっても

それほど、痛くはなかったらしいが

 

いじめっこが、勢い余って

肩など、殴ってしまった時は

とにかく、痛くて

耐えられなかったそうである

 

「どうせ、その汚ならしい

 錆びたバケツの中で

 口にするのもおぞましい

 ヤラシイ、ヤラシイ

 想像ばかり、しているのだろう!」

 

警察官は、そう言って

腰に携えていた、拳銃を抜き

ズドンと、バケツ男の頭を撃ち抜いた

 

穴の空いた箇所から、血が噴き出した

 

即死だった

 

「バケツ男を懲らしめてくれて

 本当に有り難うございます

 でも、本当は、この男

 痴漢なんかしてませんよ

 

被害者と主張していた女が

笑顔で、そう告白をした

 

「そんなこと、どうでもいいじゃないか」

「死体の後片付けが大変ですね」

「これから業者が来るから、心配ない」

「私、床の血だけでも、拭きましょうか?」

「業者が来るから、心配ない!」

 

警察官が、語気を荒げたので

驚いた女は、逃げるように帰った

 

警察官は、独り、煙草を吸いながら

こう、吐き捨てるように言った

 

「ったく、業者が来るのに

 余計な心配しやがって!」