バケツかぶり族の秘密
頭にバケツをかぶった
バケツ男、数人が
ある警察署の駐車場に並ばされ
射撃訓練の的にされていた
バケツ男たちは、揃って
頭部を撃ち抜かれ
血を噴き出しながら
その場に倒れ込んだ
射撃訓練という名の
銃殺刑を終えた、警察官たちは
「隠そうとするのが悪い!」
「その通り、イグザクトリイ!」
「顔も見せない、秘密主義者め!」
などと、口にしながら
次々、パトカーへ乗り込んだ
別のバケツ男たちを、新たに逮捕し
不当な罰を与えるために
たった独り
弾丸がかすめただけで、命拾いし
死んだフリをしていた、バケツ男が
震えながら、こう呟いた
「一体、私に
何の秘密があると言うのか?
そもそも、警察は
我々、バケツかぶり族に
何の興味もない癖に!」