想像の翼ばかり拡げている鳥
インテリ気取りの
嫌な感じの鳥が
世界を楽しく安全に
旅する教えを
本当は、披露したい癖に
君が聞きたいのなら
仕方ないから、語ってやろうという態度で
延々と、独演会を開く
しかし、この鳥は飛べない鳥である
それどころか、何処かの
木の枝などに、留まっているだけで
歩くことさえ、ままならない
飼育係の私が、餌をやらなければ
やがて、死ぬであろう、身の上である
なのに、私が彼に
市販の典型的な
鳥の餌を与えようとすると
「昔、パリで食べた焼き栗は」
なんて、聞きたくもない自慢話をやり出す
確かに、君の想像力は、素晴らしい
それは、私も、認めようじゃないか?
しかし、君の経験値ときたら
鳥籠の鳥と、変わりゃしない
その真実から
いつまで、逃げるつもり?
早く、現実を
受け止めるべきでは?
想像の翼ばかり、拡げてないでさ!