立ち直りの早い、ゾンビのお嬢さん
ある日、ゾンビ女が
割れた頭骸骨を、麦藁帽子で隠しつつ
街を歩いていると
通りすがりの知らない男に
「お前は、女の腐ったのだ!」
と、暴言を吐かれてしまった
「それは、反論出来ない事実だわ」
と、ゾンビ女は、その場でよろめいて
地べたに座り込み、血の涙を流し続けた
そして、ゾンビ女は
しばらく、泣きじゃくった後
「ゾンビだって
血も涙もあるんだから!
失礼しちゃうわね!」
と、気持ちを切り替えて、立ち上がり
爽快に、スキップをしながら
麦藁帽子が風に飛ばされても、気にせず
住み処の墓地へと、向かった
割れた頭蓋骨から
結構な量の、脳をこぼしながら