片想い、健気な努力
骸骨娘は、骸骨だが
服を着ているし、カツラも付けている
あるスナックで、ホステスをしていて
そこのオーナーに、恋をしている
「オーナーは
ポッチャリした女と
痩せ気味の女とでは
どっちが好みですか?」
と、本来は内気で無口な
骸骨娘が、勇気を出して訊いてみた
「ポッチャリだな」
と、オーナーは、冷たく言い放った
「そうですよね、男の人は
ポッチャリ好きですよね」
と、骸骨娘は平静を装い、微笑し続けた
こんなやり取りがあってから
骸骨娘は、せめて、骨太になろうと
毎日、煮干しなどを食べるようになったが
砕かれた煮干しは、吸収されることもなく
口から、肋骨から、こぼれ落ちるばかり
何の意味もなかった
骸骨娘は気を取り直し、次の一手として
知り合いの美大生に
紙粘土で肉付けしてもらうことに決めたが
おそらく、この一手も
何の意味もないと思われる