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詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話や、日常生活にあったことを書こうとも思います。

天は人の上に人を作らず、人の下に人を作らず、しかし、骸骨とゾンビの間には?

 

とある県の、人里離れた、山間部に住む

骸骨の三人家族が

自宅のリビングで、くつろいでいた時

 

骸骨の男の子が、こう会話を切り出した

 

「お父さん!」

「どうした、息子?」

「早く、人間になりたいね」

「息子!」

「何だよ、お母さん」

「私たちは、元々、人間だったのよ

 なりたいじゃなくて、戻りたいでしょ?」

「また、母さんの揚げ足取りか?」

「本当だよ、僕は、ただ普通に

 人間になりたいってだけなのにさ」

「普通って何?骸骨状態の何が悪いの?

 そんなに筋肉が欲しい?」

「まあまあ、いい歳をして落ち着きなさい」

「お父さんは黙っていて!

 息子、世の中にはね

 ゾンビっていうね

 腐乱状態のまま、虫とかに集られながら

 生きている連中もいるのよ」

「うわっ、それは気持ち悪いね」

「息子、父さんは

 自分よりも不幸そうな人たちを

 そういう風に言うのは、嫌いだな」

「ただの腐乱死体だから

 シャワーも浴びれないのよ

 笑っちゃうわよね!」

「母さん、そういう比較をして

 優越感にひたってみせるのは

 教育上どうかな?」

「そんなこと言ったって

 本当のことじゃない?」

「お父さん、お母さん

 ケンカはやめて!」

「息子、どうも母さんは

 疲れているようだから

 マッサージでもしてあげなさい」

「私、疲れてなんかないわ

 ゾンビなんか、本気で見下したところで

 一体、何がそんなにいけないの?」

「お父さん、お母さん

 お願いだから、ケンカはやめて!」

 

そんな、骸骨の三人家族の

ある日の、声を荒げた口論が

とある県の、静かな山の中で

 

長時間、響き渡っていた

 

 
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