詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

鉄球君、殺人事件に巻き込まれ、性格変わる

 

鉄球君、姿は

砲丸そのもので

ゆっくりではあるが

動くし、言葉も喋る

 

とても無邪気で、とても明るい

 

かなりの自信家でもある

 

だから、鉄球君は

よく自画自賛をする

 

「僕はねえ、硬くてねえ

 重くてねえ、黒くてねえ

 ツヤがあってねえ、男らしくてねえ

 可愛くてねえ、優しくてねえ

 賢くてねえ、面白くてねえ

 とにかくねえ、素晴らしいのね!」

 

このように

喋り出したら止まらない

多弁な、鉄球君だったが

 

つい、この間

ある殺人事件の凶器に使われ

 

(最初に、現場で発見された

 鉄球君は血だらけで

 身体が、小刻みに、震えていたとのこと)

 

驚くほど、無口になってしまい

 

今はもう、ただの砲丸と、変わらない