そろそろ、使えなくなるかも知れない吊り橋
ある場所に、深い谷があった
そこには、天使が四人いて
吊り橋をロープで、引っ張り上げ
各自、しっかり支えている
もし、誰かが手を放せば
吊り橋を渡っている人間は
谷底に真っ逆さま、という
大変な責任を負わされている
しかし、四人の天使たちは、口を開けば
「もう、疲れた」
「そろそろ、やめよう」
「そもそも、どうして、こんなことに?」
「神様は、我々を見捨てたのか?」
「人間、来るな!落とすぞ!」
「写真撮る暇あったら、固定しろ!」
「天使が善だと思うのは、偏見だぞ!」
「今、笑ってるヤツ、全員、殴る!」
と、愚痴や暴言を繰り返しているが
そんな彼らの気持ちとは、裏腹に
人間たちは、生の天使見たさも手伝って
毎日、二十四時間
途切れることのない行列を
もう、かれこれ三年ほど、作り続けている