詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

地獄絵図、その罪深さゆえ

 

ハリウリネズミは

あちこちの家に、忍び込んでは

裁縫に使う針を、あるだけ盗み出す

 

そして、それを背中に、何本も

痛くないように、軽く刺して

旅をしながら、売り歩く

 

別名、「行商ネズミ」とも言われている

 

ところで、このハリウリネズミ

その死因の多くが

人間による、踏みつけである

 

踏み潰されるだけでも

充分、悲惨な話なのに

 

そのうえ、自分が盗んで来た針が

何本も、背中から、腹を貫通している

 

その姿、その形相は

いかにも、この世の終わりといった感じで

 

固まっている

 

所詮、泥棒に過ぎない者の運命なんて

こんなものなのかも知れない