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詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話や、日常生活にあったことを書こうとも思います。

ウェイターのアルバイトから、正式な楽団員に

シュールレアリズム

 

朝、目が覚めたら

両手がシンバルになっていた

 

そんな、不幸な男がいた

 

何をするにも、凄く目立つし

言うまでもなく、とても不便で

 

一人じゃ、普通の生活さえ、難しかった

 

また、誰かの話を聞いている時

感心すると、思わず、両手を合わせ

 

ジャーン!と、叩いてしまう癖があり

周囲から、とても、うるさがられた

 

それに加えて、笑い出すと

堪えきれずに、ジャン!ジャン!

両手を重ねるので

 

いくつもの演芸場で

出入り禁止になってしまった

 

「歩く騒音発生装置」

 

あの朝の、不条理な変身以来

このような、有り難くない

異名を持つ、彼だったが

 

この春、めでたく

ある有名な楽団へと

就職が決まった

 

当然、シンバルをやるのかと思ったら

今年、彼のために創設された

 

楽団員の、目覚まし係が

彼の仕事だと言う

 

きっと、この楽団の話題作りのために

利用されているだけだと思うが

 

「就職が決まって良かったね

 本当に、おめでとう!」

 

と、一応みんな、礼儀として

祝福の言葉を、贈るようにしている