デフレ脱却のヒント、気前のいい仙人と、欲張り市民
ある公園の隅にある
小さな池の底に
仙人が住んでいた
誰かが、その池に
一円玉を放り投げると
仙人は、水面から、顔を出して
「今、お前が落とした小銭は
この一円玉か?
それとも、別のコインか?」
と、訊ねてくる
「私が落としたのは、五百円玉です」
と、嘘をついても
仙人は、その言葉を信じて
自分が個人的に貯めている
甕の小銭入れの中から、五百円玉を出して
「もう、落とさないように」
と、気前よくくれてやる
噂は、街中に広まり
欲張りな市民たちが
一円玉と五百円玉を
次々、交換しに来るので
しばらくすると
仙人は、破産してしまい
久しぶりに、池から上がり
仕事探しの旅に出た
ある公園の周辺も、大変なインフレで
多くの善良な市民は、とても迷惑している