詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

大人気、それは貴重な、独楽ネズミの尻尾

 

独楽ネズミは、珍しい

二足歩行の鼠である

 

前足ではなく

ちゃんと、腕がある

 

通常、防寒対策らしいが

長い尻尾が、体に巻き付いていて

 

まるで罪人が、縛られているように見える

 

二本の脚で

ピョンピョン跳ね歩く

独楽ネズミを

 

素早く捕まえて

尻尾の先端を持ち

ベーゴマの要領で、床に放り出すと

 

尻尾が真っ直ぐに伸び、やがて切れる

 

独楽ネズミは、つま先立ちし

縛りがなくなった反動で

ビョンッと、両腕を上げ

 

バレリーナのように、回転し続ける

 

尻尾の付け根から

血が出ているので

辺りは、血だらけである

 

そして、回転が止まる頃、出血多量で、死ぬ

 

近所の野良猫たちに、死骸をやると

みんな本体より、尻尾を食べたがる

 

きっと、相当の珍味なのだと、私は推測する