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詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

九十六歳・認知症の祖母、自宅にいるのに「早く、この病院から出て行きたい!」と、孫に懇願する

 

 今日の正午、私はいつものように、台所から、祖母のいる和室へと、食事を運びました。

 

 祖母は、しばらく食べることに夢中で、無言でしたが、ふと私と目が合うと、「たまには、病院のご飯を食べるのも悪くない」と、おかしなことを言い出しました。

 

 ここは紛れもなく自宅で、祖母が今、食べているものは、病院の病人のための昼食ではなく、私の妹が祖母のために作って置いた昼食なのです・・・。

 

「病院のご飯って?」と私が祖母に訊くと、「ここは病院だろ?」と、祖母は真顔で答え、「病院のご飯なんて食えたものじゃないって、よく聞くけど、不味いってほどじゃないね」と、続けました。

 

 祖母から、詳しく話を訊いてみたところ、「ここは病院で、胃癌である○○(私の母)が入院していて、私や祖母に限らず、家族・親戚みんなでお見舞いにやって来た。どういう訳か、私と祖母だけが残されて、他の人たちは先に帰った。仕方ないから、ここで昼食を取っている」という妄想をしているようです。

 

「ここは病院じゃない、自宅だよ。○○(私の母)も、とっくに退院してるから、心配は要らない。取り敢えず私は、自分の部屋に戻るから、祖母さんはここで、テレビでも観ていて」と、私が和室から出ると、祖母は泣きそうな表情で、「私を病院に置いて行くな!軽トラックの後ろでもいいから、乗せて行ってくれ!」と私に、大きな声で懇願しました。

 

「だから、ここは病院じゃないって言ってるでしょ?それに、祖母さんを車に乗せて、どこかへ連れて行く時は、荷台じゃなくて、ちゃんと、座席に乗せて行くから、人聞きの悪いこと言わないでくれる?」

「とにかく、お前が、この病院を出る時は、絶対、私に声をかけてくれ。病気じゃないのに、手術とかされたら困るから」

 

 病気じゃないとは言えないと思うけど・・・ま、手術しても無駄だろうけど・・・。

 

 その後、祖母は、服を外出用に着替えて、財布など貴重品を入れた鞄を胸に抱え、私に会う度、「家に帰らないのか?」と訊いてきました。そして、「タクシー代くらい払うから、お前も一緒に乗ってくれ」とも言ってきました。

 

 夕方になり、私が冗談で「そろそろ、この病院を出て、家に帰ろうか?」と祖母に訊いてみたところ、「病院?お前が行きたいのなら、勝手に行けばいい。私は関係ない。もう、暗いから、私は家で留守番をしている」という答えをもらいました。

 

 何となく、腹立たしい?いえ、祖母が正常に戻ってくれて、本当に良かったです。

 

 ま、どうせ明日になれば、再び、おかしなことを言い出すに決まってるんですけど・・・。