詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

ひよっこの第7週放送、今回のリアリティー軽視路線は、成功したのか?


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  NHK・朝の連続テレビ小説ひよっこ」、第7週の感想です。

 

 澄子の祖母の思い出、消えた澄子、時子のドラマ・オーディション前夜、その本番、茨城トリオの銀ブラ、茨城トリオの母たちの女子会、週としてみると、42話はスピンオフと次週の予兆みたいなもの、37話~38話の澄子の話と、39話~41話の時子の話は、別の話のようで、「都会の洗礼」を浴び、「田舎にいた頃を想う」という意味で、同じテーマ(二人とも、故郷を離れて、漂流する椰子の実)と言えます。

 

 ただ、「椰子の実たちの夢」という週タイトルは、どちらかと言うと、夢ではなく、「不安」の方が妥当だったような気がします。不安を感じない澄子と、不安を感じやすい時子、という対比も出来ていましたし・・・。

 

 尤も、朝から「椰子の実たちの不安」なんてタイトルのドラマ、誰も観たくはないでしょうが・・・。

 

 


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  向島電機コーラス部、今日は、田舎を出て来たばかりの若い娘に、いかにもホームシックにかかる切っ掛けを与えそうな曲の代表、「椰子の実」を唱います。

 

 音楽講師・高島の選曲は、いつも、全体に対する配慮より、個人的趣味が、色濃く反映されています。

 


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  優子の家から送られて来た、ハタハタの佃煮を食べながら、恥ずかしい、申し訳ない気持ちになる澄子、みんな、田舎から、何かが送られて来て、それを周囲に振る舞うのに、彼女には、実家から、ハガキ一枚、送られて来ません。

 

 みね子以上に、給料の大半を、実家に仕送りしているのですが・・・。

 


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  母親が亡くなり、父親が再婚してしまい、実家には居場所のない澄子でしたが、祖母だけは彼女に優しく、学校で怪我をした時も、腰が悪いのに、歩いて迎えに来てくれたこともありました。

 

 

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  田舎の祖母のことを思い、仕事に身が入らない澄子に、ライン長の松下が「クビにするぞ、田舎に帰れ!」と、きつく叱りつけます。

 

 その日、仕事が終わってから、澄子の姿が見えなくなります。今日の夕食は、彼女が大好きな、カレーだったにも関わらずです。

 


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  居なくなってしまった澄子は、祖母に会いたくなって、田舎へ帰ろうとしているのでは?そう考えた、みね子たちは、上野駅まで走って、彼女を捜しに行きます。

 

 どう見ても、善良な市民とは言い難い4人組に、「お嬢ちゃんたち、迷子?」と絡まれます。

 

「触らないで!私たちは、行き場のない迷子なんかじゃない!ちゃんと、自分たちの力で、自分たちの場所で、生きています!」と寮長の幸子が、メンバーを代表して、力強く宣言し・・・逃げます。

 

 善良な市民ではないであろう4人組じゃなくても、「?」と思ってしまう、やや唐突な台詞ですが、おそらく、脚本家の岡田氏が、これを幸子に言わせたくて、上野駅にみね子たちを向かわせたのですから、我々、視聴者も、ここは納得するしかありません。

 


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  寮に戻ったみね子たちは、澄子が病院にいることを知り、駆けつけます。

 

 なぜ、こんなことになったのか?

 

 その理由を彼女に訊ねると、「昨夜は、祖母のことを思い、眠れなかった、だから、仕事でミスを連発した、銭湯に入って、気合いを入れ直そうとした、しかし、眠くなってしまった、そして、のぼせて、救急車で病院へ運ばれた」とのこと、更に、銭湯で気分を一新しようとした目的は、仕事のためではなく、今夜のカレーのためだと聞き、みんな呆れ返ります。

 

 それなのに、結局、カレーを食べ損ない、「・・・残念です、無念です」と、愛子の御見舞いのバナナを食べながら、話をする澄子・・・一応、みね子たちが、彼女を心配して、危険な目に遭いながら、捜し回った話をすることで、感動的なエピソードのように、取り繕ってはいますが・・・どうなんでしょう?

 

 澄子に、「ふざけるな!」と怒ったのは、みね子たち以上に、真面目タイプの視聴者だった可能性も、否定出来ません。

 

 


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  時子のドラマ・オーディションの前夜、その予行演習に協力する、乙女寮の審査員の面々です。愛子の表情が、この中で一番、凛々しく見えますが、彼女の役割は審査員ではなく、色々あって、急遽作られた、「参加者(時子)を呼ぶ人」です。

 


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  みね子が、時子の付き添いとして、一緒にNHKへ行くことが決まると、愛子を始め、みんな、それぞれ、好きな有名人のサインを貰ってきて欲しい、と頼み出します。

 

 この当時のNHKって、テレビの番組制作だけじゃなく、有名人専用の居住区でも、運営していたのでしょうか?

 

 やすらぎの郷みたいな・・・。

 


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  オーディションのために、現時点で最高のお洒落をした、時子に負けじと、コンニャク色のスカートをヒラヒラさせて、みんなに自分をアピールしてみる、みね子です。

 

 みね子の目の前にいる、豊子の視線が、氷のように冷たく感じるのは、私の気のせいでしょうか?

 


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  ひよっこネット掲示板でいう、「お花畑」のシーンです。脚本家の岡田氏は、主人公と、その周辺の人物の性格付けは、丁寧に塗り込んでいく印象ですが、名もなきエキストラの性格(というより、心理)は、ベタ塗りにしてしまう傾向があるようです。

 


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  みね子の「有名になっても、友達でいてよ」と言う台詞に、「ばーか」と返す時子・・・岡田脚本、今日も、乙女チック全快です。

 


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 NHKのドラマ「昭和ガール」のオーディションの控え室です。参加資格に、年齢制限はないようです。

 

 それにしても、この紫色の女の人と、チャイナ服の女の人が、これから「ブグバグ、ブグバグ・・・」とやるのかと思うと、それを想像するだけで、笑ってしまいます。

 


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  緊張していたから、鈍っていたから、という面を差し引いても、あの奇人変人大集合みたいなメンバー相手に、競り負けてしまうということは、時子の女優としてのポテンシャル、大したことないのかも知れません。

 


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 時子は、幸子たちを気遣い、幸子たちは、時子を気遣い、オーディションの話題を避けていたところに、愛子が突入して来て、「どうだった?」と、速攻でオーディションの結果を訊いてきます。

 

 このドラマの中では、愛子がちょっとオカシイ人、みたいになっていますが、少なくとも、この局面では普通だと思います。

 

「どうだった?」、「駄目でした」、「まだ、分からないじゃない?」、「いや、駄目です」で済む話なのに、脚本家の岡田氏は、とにかく、AはBを気遣い、BはAを気遣うというパターンが、心底、好きなようです。

 

 ま、このケースは、決して綺麗事ではなく、愛子という破壊者の、生け贄(前フリ)としての気遣いな訳ですけど・・・。

 


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 「中卒んだんだコンビ」の二人とも、お姉さんとして、より慕っているのは、みね子ではなく、時子・・・主人公のみね子の存在感が薄れてきた、脇役の時子の方が魅力的なキャラクターという、ネット上の指摘、この二人の態度だけみたら、満更、間違いではないのかも知れません。

 


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  脇役の魅力と言えば、この人も負けていません。無言で「サイン貰って来た?」のジェスチャーをした時の、この表情・・・みね子のオトボケ顔が、監督・脚本家に酷使され、視聴者から、飽きられてきた中、全く、新しい風が吹き込んで来たような、爽快さがあります。

 


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  オーディション落選後、やたら仕事を張り切る時子です。おそらく、会社の同僚は、何も言わないでしょうが、一部の視聴者から、「女優目指して、工場は腰掛け」と、イヤミを言われることを想定して、作られたシーンかと思われます。

 


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  時折、この二人が見せる、友情を超えた、同性愛的な雰囲気を踏まえると、確かに、「立入禁止」といった感じがします。

 

 


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  地方から、東京に出て来て、垢抜けたつもりで、バッチリ決めてきたはずの男が、同郷の女に笑われるという、あるある話です。

 


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  予算の都合上、こういった演出になったのでは?という、ネットの声もありますが、ただ、買い物をしているだけ、お茶を飲んでいるだけのシーンでも、銀座を表現することは可能なので、単純に、脚本家の岡田氏が「こういうの面白くない?」と、やってみただけでしょう。

 


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  みね子と三男の気遣いに、感謝しながらも、みんなから、心配される自分を情けなく思う、時子です。

 

 東京では、自分が、星の数ほどいる、女優志望の一人に過ぎないことを実感し、茨城にいた頃のやる気を失い、弱音を吐きます。

 

「よし、決めた!女優は諦めて、俺の嫁さんになれ!」、「絶対ならねえ、アンタの嫁なんて!」、「だったら、女優になってみせろよ!メソメソしてっと、俺の嫁さんにすっぞ!」、「女優になる!死んでもアンタの嫁になんかならねえ!」という、三男と時子のやり取り、少女漫画と青春ドラマを同時に味わえる、お得感があります。

 

 しかし、それが好みじゃない人たちにとっては、朝から、異臭(クサイ)騒ぎが起きている気分になっているかも知れません。

 


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  遠くから、三男を見つめる米屋の娘、もし、この二人が結ばれて、米屋(パン屋?)を営む結果になるのだとしたら、このドラマが、お花畑から、リアリティー重視に、方向転換したことの証明にはなるでしょう。

 

 しかし、もしかしたら、彼女は、自分が持っている黄緑色の風船ではなく、三男が持っている青色の風船が欲しいだけ、とも考えられるので、視聴者の皆さん、早合点してはいけません。

 

 


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  奥茨城の女子会、肥溜めの話で爆笑しています。数十秒後、三人揃って泣きます。更に数十秒後、「もったいないから、食べっぺ」 と泣き止みます。失礼ながら、年齢的な問題もあるのでしょう、とにかく、見ていて心配になるほど、「子供たちの心配をしている場合か?」と突っ込みたくなるほど、情緒不安定な母親たちです。

 

 そして、この三人の会話、私には、意外と、泣けもしなければ、笑えもしませんでした。

 

 脚本家の岡田氏は、若い乙女たちの会話を描くことと比べて、決して若くはない、熟女たちの会話を描く方は、どうも、苦手のようです。

 

 


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  季節が夏になっても、相変わらず、澄子は表情でも、しぐさでも、良い味を出します。

 

 余談ですが「人は見た目が100パーセント」の桐谷美玲は、「眼鏡をかけても、髪型が変でも、冴えない服装でも、結局、可愛いまま」と批判されているのに、彼女より若い松本穂香(澄子)が、眼鏡ひとつで、ちゃんとブスを演じられるのは、大変な才能だと思います。

 


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 「おどうさん、ゴメンナサイ。私、お父さんのことを考えている時間が、段々、減っているような気がします」

 

 そうですか?少なくとも私は、しょっちゅう、彼女が「おどうさん・・・」と言っているような気がしてならないのですが・・・。

 


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 ネットの噂通り、みね子の父・実は、記憶喪失になっていた、と匂わせるシーンが、今週の最後に・・・しかし、これは、フェイントである可能性もあるので、まだ、何とも言えません。

 

 今回の第7週放送、澄子が消えた理由のなんじゃこりゃ感、面白いけど、殆んどコントの時子のオーディション、いつも以上に、少女漫画のような世界観、見ようによっては、リアリティー軽視路線と思えなくもない、今のひよっこに、「みね子の父・実は、記憶喪失!」というエピソードが加わったとしたら、ファンは、一体、どういう反応をするのでしょう?

 

 尤も、今週は、視聴率的には、上昇局面を迎えているようなので、案外、嘘っぽい話の方が、その分、ドラマチックになって、「面白い!」と思う人も、増えるのかも知れませんが・・・。