詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

ひよっこ、まるで、高子は左遷、島谷は夜逃げの、つれない退場の仕方について

 

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 NHK・朝の連続テレビ小説「ひよっこ」の、第17週「運命のひと」は、みね子と島谷の恋の終わり、高子と太郎の結婚、島谷があかね荘を去り、その部屋に愛子が住むこととなり、ひょんなことから、みね子がCM出演、みね子は、川本世津子と親しくなっていく、そして、世津子の家に呼ばれたみね子は、ついに、行方不明だった、父・実との再会を果たす・・・と大きなエピソードの連続、いかにもな急展開・新展開で、最近、上がり目だった、このドラマの視聴率が、更に、上昇したのも頷けます。

 

 特に、週の始め、第97回の、みね子と島谷の別れ話、週の終わり、第102回の、みね子と実の再会は、これまでの100回超あった、ひよっこの放送の中で、少なくとも、そのインパクトに置いては、一位(第102回)と二位(第97回)だったと、私に限らず、多くの視聴者の方も、感じたのではないでしょうか?

 

 しかし、私が、今週、注目したのは、この二大エピソードではなく、すずふり亭を辞め、奥茨城の太郎に嫁いで行った高子と、みね子と別れて、バツが悪くなり、あかね荘を出て行った、島谷の二人です。

 

 

 高子(佐藤仁美)が、ドラマ上、すずふり亭・あかね荘編から、外され、奥茨城へ行くのは、結婚というオメデタイ名目とはいえ、東京本社から、「向こうで、君が必要なんだ、頑張って!」と、地方の支社へと飛ばされる、サラリーマンと同じ・・・?

 

 実際、すずふり亭・あかね荘編を盛り上げてきた功労者にしては、その扱いは驚くほど軽く、高子が結婚報告をしたと思ったら、みね子の失恋報告に話題を奪われ、次の回では、「高子がお嫁に行って、数ヶ月・・・」と、増田明美のナレーションで片付けられ、そこに彼女の結婚生活の映像が挟まれることもないという、主要な脇役から、脇役の脇役へと、格下げされた彼女の悲哀を、私は、少なからず、感じてしまいました。

 

 せめて、1分でも良かったので、みね子と高子が二人きりの時、先輩から後輩へ、すずふり亭のホールを託すようなシーンがあれば・・・ついでに、高子がみね子に、「もう、私、着れなくなったからあげる。持って行くのは面倒だし、捨てるのは勿体ないし」と、高子が若い頃、着ていた服を、みね子にあげれていれば、ネット上の「着せ替え人形・みね子」の批判を、封じ込めることも出来たはずなのですが・・・。

 

 


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 みね子との別れ話をした夜、島谷は、アパートへは帰宅しなかった、それは良いとして、その後、彼は、それなりの期間、まだ、あかね荘に居なくてはならなかったはずなのに、ただでさえ、狭い場所で、そのうえ、みね子とは隣同士、トイレ・洗面所・炊事場が共同である以上、彼は、みね子とバッタリ会うこともあったはず(というより、会わない方が不自然)なのに、そこを描いて、みね子に、島谷への感謝の言葉を述べさせなかったということは・・・今後、いつか、みね子の前に、島谷が再登場することは、確実かと思われます。

 

 それが、お互いの「近況と思い出」を語るだけのシーンで終わるのか、焼けボックイに火が点くのか?は、予測が難しいですけど・・・。

 

 やはり、島谷の場合も、高子同様、たとえ1分であっても、挟むべきシーンがあったような気がします。最もありがちなのは、彼の引っ越しのシーンで、早苗かヒデのどちらかと、ふたこと、みこと、会話するというものでしょうか?

 

 それが、ヒデだった場合、島谷の方から、「もしかして、ヒデも、みね子ちゃんのこと、好きだったんじゃない?」という台詞があっても良かったと思います。みね子とヒデが、恋人関係にならないのだとしても、視聴者に対するフェイントにはなりますし・・・。

 

 

 ところで、高子も、島谷も、たかだか1分程度の、必要と思えるシーンが作ってもらえない中、「永井愛子アワー」に何分も時間を割く、脚本家の岡田恵和氏のバランス感覚って、一体・・・?

 

 ドラマの都合上・展開上、島谷をあかね荘から追いやったのは、愛子だし、おそらく、すずふり亭から、高子を追いやることになった原因も、愛子・・・それにしても、彼女は、とても、怖い人のようです、早苗の前で、「殺したい人いるでしょ?私は、何人も殺した!(頭の中で)」と言っていたし・・・。