詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

わろてんか(第4回~第5回)、化け猫の話、脚本が少しオカシイだけで、内容は、ちっとも可笑しくない!

 

f:id:kitafumi:20171006140135j:image

 

 NHK・朝の連続テレビ小説「わろてんか」の、第4回~第5回を観た感想です。

 

 放送5回にして、「この脚本家は、コメディーに、向いていない」疑惑が深まっていく中、視聴率的には、スタートから、連日20%超の絶好調・・・朝ドラのスタートは、前作の好不調の影響を受けやすいという説、私は全く、信じていませんでしたが、宣伝も内容も、「朝から、笑わせまっせ」アピールが強い割には、全く、笑えない、このドラマが、ここまで視聴率が良いということは、「朝ドラ・スタート時、前作の影響を受ける説」、本当なのかも知れません。

 

 
f:id:kitafumi:20171006162541j:image

 

 ある時期から、毎日、一升瓶の酒が目減りしていく、不思議な現象が続く、藤岡家・・・使用人の間では、盗み食いの常習犯・風太に疑いがかかる中、てんの祖母・ハツの、子供に対する脅し文句込みとは言え、「化け猫の仕業」という、何だか、大人の視聴者には、ついていけない展開に・・・。

 

 で、化け猫の正体は、本来、下戸である、てんの父・儀兵衛が、家族に隠れて、夜な夜な、台所へ行き、茶碗一杯の酒を飲んでいただけ・・・。

 

 それを目撃したてんは、自分のせい(ゲラのせい、ドイツ人との商談を台無しにしたせい)で、「父が化け猫になってしまった」と思い込んだのか、「父が、酒に逃げなきゃいけないほど、苦しんでいる」と思い込んだのか、どっちともつかない、ドラマ設定の中・・・どうやって、場所を知ったのか、父の取引先のドイツ人のところへ、風太と向かう、てん・・・あっと言う間に、ドイツ人と再会・・・いきなり、土下座をします。

 

 明治の子供の土下座と、前回の朝ドラ(ひよっこ)で批判された、昭和のおじさん同士のハグ・・・どっちが不快かは、視聴者・個々の、趣味によるとしか、私には、言いようがありません。

 

 

  てんが、自分のために、ドイツ人のところへ、謝りに行ったことを聞いた儀兵衛は、改心し、残っていた酒を、全て捨て、「もう、この家に、化け猫は出ない。てんが化け猫を退治した!」と、家族や使用人の前で、高らかに宣言・・・別に、彼は、アル中になっていた訳ではなく、仕事と勉強のストレス解消に、毎晩、茶碗一杯の酒を飲んでいただけなのに、おかしな展開、と思っていたら・・・次は、今週最大のエピソード「てんの笑い禁止令」が、あっさりと、解除されます。

 

 第1週「わろてはアカン」、もう1話残ってるのに・・・前作のひよっこでも多用されたパターン、週の最後(土曜日の放送)を、週の大オチに使わず、今後のための微調整や、来週の予告編まがいに使うのは、もはや、朝ドラの新たなセオリー?

 

 

 ところで、ネット上で物議をかもしている、「何のために、家にある全ての酒を、捨ててしまうのか?勿体無い」という批判・・・所詮、フィクションですから、倫理的な意味合いは、どうでもいいのですが、ドラマ(見せ場にはなる)と、リアル(普通だったら?)の折り合いという意味で、確かに、違う結果にしていても、良かったような・・・そもそも、夜中に酒を、飲む飲まないで、化け猫かどうか、化け猫になるならないが、決まる訳じゃないですし・・・。

 

 更に言わせてもらえば、「化け猫」というワード抜きで、同じ話(仕事のせいで、酒を飲んで、酔っぱらうようになった儀兵衛を、心配し、責任を感じるてん)をやった方が、もっと、リアリティーがあったような気がします。

 


f:id:kitafumi:20171006161625j:image

 

 まるで、プロ野球の抑え投手のように、終盤、かなりの確率で登場する、藤吉(松坂桃李)、前回の登板同様、今日も、ガンガン、打ち込まれます(スベり倒します)。

 

 ナレーションで、「義士と猪を聞き間違えて、次の幕の猪役の藤吉が、飛び出してしまったのです」と、説明しなければいけない時点で、「笑えない」って、分からない程度のコメディー・センスの脚本家が、「毎回、何度でも、このドラマを観る人たちを笑わせたい(筆者、又聞きなので、ニュアンスが違っていたら、申し訳ない)」と、何かのインタビューで、豪語しているそうですが、自分でハードルを、上げるだけ上げて、上を飛ばずに、下をくぐっていく、大坂のコテコテ・ギャグをやらされるハメにならないように・・・私は陰ながら、祈っています。