詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

わろてんか(第3週後半)、てんはジュリエットではなく、横溝正史的世界の住人?

 

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 NHK・朝の連続テレビ小説「わろてんか」、第16回~第18回の話は、てんたちが、藤吉とキースを蔵の中に匿っていたことが、儀兵衛にばれ、「頭を冷やせ!」と、今度は、てんが蔵の中へ、彼女は、運ばれて来る食事にも手を付けず、ひたすら、藤吉への思いに耽る・・・そんな中、夜な夜な、藤吉が、梯子を使って、蔵の窓がある屋根まで、登って来るようになり、まるで、日本版の「ロミオとジュリエット!」と、なるはずだった、このドラマの脚本家の思惑は・・・物の見事に外れ、上記画像を見れば分かる通り、「ある旧家で、親の言い付けを破った、その罰として、暗い蔵の中へ幽閉された、お人形さんのような、赤い着物の娘が、昔は旅芸人をしていたという、浮浪者風の男の話を聞き、アハハハハと笑い出す」という、横溝正史的世界が、シェイクスピアの傑作悲劇の構図を、何とも不気味な、青い闇で、覆い尽くします。

 

 そんなホラーな、わろてんか(第16回~第18回)で、私が気になったシーンについて、いくつか、指摘してみたいと思います。

 

 

「蔵の中の、藤吉とキースを発見した、儀兵衛の『全員、座敷に引っ立てい!』は、丁寧に言うと、『皆さん、座敷に上がって貰えます?』でしかなく、この脚本家(吉田智子氏)の微妙なワードセンスも、笑うところとして、カウントすれば、確かに、彼女の、1話あたり3回の笑いも、決して、無理な目標ではない?」

 

「わろてんか・京都編の名場面のひとつ、饅頭を握り潰す、風太・・・いつも彼は、紙に包んで、饅頭を持って来るのに、この日に限って、饅頭が剥き出しなのは、藤吉がてんに会いに来ているのを目撃して、思わず、感情的になってしまう、予感でもあった?」

 

「庭で風太が、饅頭を握っている時に、藤吉がてんに、『神社に野宿している』話をしたなら分かるが、そうじゃないのに(別のタイミングで言っている)、翌朝、藤吉の寝ている神社に、風太が登場・・・更に、少し時間を置いて、リリコまで登場!」

 

「藤吉に絡む、風太、それを見て、『藤岡屋の手代が、人を殴ったと知れたら、さぞかし、大騒ぎやろね』と、脅かすリリコ・・・あの時代、どこの名門商家だろうが、若衆のケンカなんて、普通にあったのでは?よって、大した醜聞ではないかと・・・そもそも、風太はケンカが強い、みたいな設定が、濱田岳に合っていない」

 

「雨の日も、風の日も、雷の日も、蔵の中のてんに、毎晩、会いに来る藤吉、で、何をするかと言うと、折り紙に人形劇・・・もしかして、てんが子役から、大人(葵わかな)になったこと、彼はまだ、気付いていない?」

 

「月の輝く、別れの晩に、藤吉が、てんに、チョコレートを持って来て・・・出ました、石川チョコ衛門!松坂桃李の、事務所の後輩たちが、彼のことを『チョコ衛門先輩!』と呼んで、大板血のカドで、頭を殴られる事件でも起きたら、NHKは、一体、どう責任を取る?」

 

「儀兵衛たち、てんの家族の前で、突如、傘を使って、マスを回し続ける藤吉・・・いつも、そんなものを携帯して、あちこち歩いている、彼の姿を想像すれば、確かに、誰だって、笑わずにはいられない」

 

「取り敢えず、藤吉は、実家の米屋をやりながら、てんを笑わし続けるらしいが・・・同じ、実家が米屋でも、ひよっこの米子の方が、笑いのセンスは、確実に上」

 

「藤吉の実家の住所だけ聞いて、翌朝、大阪に行けばいいのに、わざわざ、夜中に、出て行ってしまう、てん・・・お蔭で、仏壇の前での、彼女と新一との別れが、怖いこと、怖いこと」

 

 

 

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 NHK・朝の連続ホラー小説「恐怖、私の父母は、影人間!」、このまま、わろてんかを放送し続けるより、ずっと斬新で、面白いかも知れません。