詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

わろてんか(第4週後半)、つまらない、辻褄合わない、会話が噛み合わない、ないない尽くしの、酷い脚本!

 

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 NHK・朝の連続テレビ小説「わろてんか(第22回~第24回)」は、藤吉が輸送費を考えずに、北国の米を買って来たり、風太がやって来て、藤吉を殴ったり、てんが手紙で、妹・りんの祝言があることを知ったり、てんの母・しずが北村屋にやって来て、藤吉の母・啄子と対面したり、てんの大事な着物が庭に捨てられたり、藤吉の許嫁の楓が、北村屋を去ったり・・・とにかく、複数のエピソードが、何ひとつ、整理されないまま(納得し難い状況のまま)、新しいエピソードが、どんどん、投入されていくという、サービスが良いんだか、悪いんだか、よく分からない、かなり、おかしな仕上がりになっています。

 

 わろてんかというドラマは、この記事のタイトル通り、「つまらない、辻褄が合わない、会話が噛み合わない」、ダメな脚本の三冠王と言っていい、酷いものですが、それでも、まだ、他の朝ドラ並の視聴率をキープ出来ているのは、やった者勝ち状態になっている、新エピソードの連続投入を、「観る側を飽きさせない、良いサービス」と感じている視聴者が、実は、少なくないからなのかも知れませんが、おそらく、近い将来、視聴者の中で、「量より、質を向上させて欲しい」という要求が増えていき、それに従って、視聴率は、どんどん、下落していくような気がします。

 

 そんな、先行きが、お世辞にも、明るいとは言い難い、わろてんか(第22回~第24回)の、思わず、批判しなきゃ、気が済まないところを、20ほど、指摘してみようと思います。

 

 

「啄子の知り合いに、アメリカ帰りの人という、唐突さ・・・今後の展開に重要?だとしたら、もう少し、会話を広げて、このアメリカ帰りの人が、一体、何者なのかを、先が読めない程度、視聴者に教えてくれてもいいのでは?」

 

「女中扱いされているてん、そして、許嫁までいる、不誠実な藤吉を、殴る風太・・・先日、リリコが『藤岡屋の手代が、人を殴ったら、大騒ぎになる』と言っていたが、案の定、何の騒ぎにもなっていない」

 

「風太に殴られた藤吉を見て、啄子が言った、『この子には、ええところが、たくさんあります。学校の勉強、算術、顔も良い、背も高い、何より優しい!』という台詞、とても、この状況に相応しいものとは思えない、おそらく、どこかで使おうと思っていた台詞を、大して考えもせず、何となく、ここで、はめ込んでみただけ」

 

「また、この啄子の台詞は、彼女が、風太(濱田岳)に対して、言ったものであることを考えれば、最後のワードは、『優しい』ではなく、『背が高い』にして、トキあたりに『なるほど』と言わせて置けば、多少の笑いも取れたはず」

 

「藤吉が、自分よりも、てんが好きと、改めて知った、楓が、自分の部屋で短歌(?)を作り始める、それを廊下から、見ていた啄子が、藤吉と楓の早めの祝言を決意・・・え、どういう心理で?」

 

「風太が、てんに渡した、りんの手紙に、これから、祝言を挙げる、婿の情報は『立派な人』とだけ・・・どこの人か、何をしていた人か、外見はどうか、だけではなく、名前すら、教えてくれないなんて、一体、何のための手紙?」

 

「自分(てん)が家を飛び出したから、りんは、余計な苦労を背負い込んだのかも知れない、妹の祝言に、顔を出せないばかりか、何のお祝いもしてあげられない、そのあたりの、うしろめたさや情けなさがゼロで、『良かった』と、ひたすら笑顔でいる、藤岡てんという、このドラマのヒロインの、どうしようもない、鈍感さ!」

 

「藤吉が仕入れて来た、北国の米は美味い、しかし、輸送費が・・・北国へ行くと、藤吉が言った時点で、頼むから、誰か、教えてやってよ・・・」

 

「しず対啄子の、母親対決、いちいち、指摘していられないほどの、(?)だらけの、噛み合わない会話の連続・・・まるで、ハンマー投げの選手が、やり投げの選手と、円盤投げの試合をしたかのような、全く、見るに値しない、大茶番劇!」

 

「しずの『(てんがダメなら)煮るなり焼くなり、河原に捨てるなりしてください』という台詞、少なくとも、私(筆者)は、河原に捨てられるより、煮たり焼いたりされる方が、イヤだなあ・・・」

 

「藤吉の父は、結婚してからも、芸妓に入れ込んでいたので、啄子は苦労したそうだが、その割には、最初の頃、楓の『お妾さんの一人くらいいても』という発言に、『それでこそ、船場の嫁や』って、誉めてたような・・・」

 

「自分が名門の商家に入るために、好きでもない人と結婚して、苦労したから、藤吉の嫁として、同じ立場の楓を推すって・・・余りに酷い、啄子の屈折具合!」

 

「てんの、あかぎれだらけの指に、薬を塗ってやる、優しい母・しず・・・しかし、その薬をてんに渡さず、無言で、自分の着物に携えて、持って帰ってしまう・・・藤岡屋は薬屋なんだから、そんなものは、売るほどあるはずなのに!」

 

「藤吉が、楓に、結婚を(てんがいるから)諦めてもらうように、頭を下げると、逆に、彼女は『もっと、(てんを)苛める宣言!』、そんなこと知らないはずのトキが、てんの着物が無くなると、『まさか、楓さん?』、最初から、藤吉の姉(実際の犯人)の方が、怪しかったはず」

 

「てんの着物が無くなって、庭に捨てられていた騒動、そのことを知っている人は、ごく限られているはずなのに、北村屋の人たちは、みんな知っているテイ・・・てんが『○○さん、私の着物、知りませんか?真っ白な、無地の・・・祖母からもらった、大切なものなんです!』と、探し回る(いろんな人に、訊いて回る)シーンを作るだけでいいのに、本当に、このドラマは、手抜きとしか、言いようがない」

 

「トキの『何で、おてんさまと、ウチが、楓さんの部屋の掃除をしなきゃ、いけないんですか?』という台詞、だって、それが女中の仕事だからとしか、言いようがない」

 

「藤吉が、店の経営状態を知りたくても、教えてくれない啄子に、『オレのことも信じられないのか!』と怒る藤吉・・・冷静に考えてみれば、ずっと彼は、家のことを放ったらかしにしていた訳で、母親とはいえ、啄子から(特に商売のことで)、信用されていなかったとしても、仕方がないのでは?」

 

「藤吉のなぞかけ『オレとおてんちゃんとかけて、夫婦茶碗ととく、その心は、どちらも欠けてはいけません』、藤吉とてんも、夫婦茶碗も、『ただのペア』だから、同じになるのは、当たり前なのに、こんなものをなぞかけとして放送してしまう、脚本家もプロデューサーも、きっと、どうかしちゃってる人に違いない」

 

「トキが楓を探しに行くと、いつものように、偶然(!)、藤吉の姉が質屋を出るところに遭遇、またも、いつものように、突然(!)、てんの着物を庭に捨てたのが、自分だと彼女が告白・・・てんは、怒るでもなく、呆れるでもなく、何故か、礼まで言って、またまた、いつものように、スマイル・おてんちゃんに・・・このシーン、一体、どう、理解すればいい?

 

「てんと腹を割って話をし、歌人になることへの憧れ、親の決めた結婚ではなく、自由な恋愛への憧れを持っている、自分に気付いた(?)楓は、啄子にお別れの挨拶・・・これまでの経緯を踏まえれば、簡単に認めたりはしないはずなのに、あっさりと了承、それにしても、啄子が、息子の許嫁として、楓に執着した理由も、イマイチ分からなければ、北村屋を去ると聞いて、全く、止めずに、認めてしまう理由も、イマイチ分からない、分からないことだらけのまま、次の展開へという・・・わろてんかというドラマの、笑えない、エピソードのやり逃げ方式!」

 

 


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 とにもかくにも、岡本玲(楓)さん、転覆寸前の「わろてんか号」からの脱出、おめでとうございます!でも、もしかしたら、歌人として成功して、チョイ役で、再び、わろてんか号に、連れ戻される可能性もあるので、喜んでばかりはいられないかも・・・?