詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

わろてんか(第5週後半)、たった3話で、突っ込みどころが、驚きの50超え!

 

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 NHK・朝の連続テレビ小説「わろてんか(第28回~第30回)」は、藤吉が北村屋の家・土地を担保に、借金をしていることが、啄子にバレ、リリコの家で大騒動、その後、自宅で、金貸しに返済を迫られ、もう、ひと騒動、結局、米問屋・北村屋は潰れ、家も土地も手放すことになり、藤吉の芸人仲間・万丈目を介して、例の長屋に、てん・藤吉・啄子が引っ越すことになるという、粗筋なのですが・・・資本も(というより、ちょっと先の生活費さえ)ないのに、てんと藤吉、寄席の経営をするんだそうです・・・この週のタイトルが「笑いを商売に」だから、仕方ないとでも言うのでしょうか?

 

 常人には、理解し難い急展開です。

 

 

 そんな常人の理解を超えた、不条理ドラマ「わろてんか(第28回~30回)」の突っ込みどころを、厳選して「50」ほど、指摘してみましたので、どうぞ、お読みください。

 

 

「キースが姿を消していたのは、パーマ機を一台でも多く売るため・・・鍋としてなら、売れると思った?100の金で買ったものを、1の金で売るような行為をされても・・・そもそも、色々と加工しなきゃ、鍋にもならない」

 

「啄子の刃傷沙汰のシーン、長屋の人々の『よっ、日本一!』という掛け声で、啄子がポーズ、『何やの、これ?』という決め台詞・・・こんな捨て身の、リアリティー度外視・演出をやってみたにも関わらず、それに見合った笑いの量が、あったとは思えない」

 

「借金の心労か、体調を崩す啄子、てんに、幼かった藤吉を連れて、女遊びに耽る夫を探していた話をする・・・何故、夫探しに、子供を連れていく必要がある?しかも、藤吉の姉の方は、連れて行かないで・・・」

 

「今度は、啄子が笑い(寄席の落語)に救われた話・・・何でもかんでも、笑いで解決、しかし、このわろてんかの、テーマやジャンルは、笑いやコメディーではなく、製作陣いわく、ホームドラマだそうな・・・」

 

「伊能のところへ、てんがパーマ機のことで相談、『西洋の髪型を真似るのは、日本では早い』って、自分の七三分けだって、西洋の髪型では?」

 

「伊能が、てんに気のある素振り・・・そして、『困ったら、いつでも来なさい』ではなく、『僕は、いつでも待っている』という、台詞のあざとさ!」

 

「ドラマ上、米が売れない方が良い時は、ほぼ売れない。米が売れた方が良い時は、完売する。後者の時は、店じまいのため、近所の人たちが、次々と、義理で、在庫を買ってくれた話にした方が、商才ある、有能な人物のはずだった、啄子の面目が立ったのでは?」

 

「藤吉が米を売りに行った後、その成果を啄子に報告、彼が渡した売り上げが、小銭ばかりだったことから、彼が、かなりの少量でも、米を販売していたことが分かる・・・それなのに、万丈目夫婦、たかだか、○合の米も買ってくれない、薄情さ!」

 

「藤吉のパーマ機購入(借金)から、大した日数は経ってないはずなのに(それなりの日数が経っているのだとしとら、それを観る側に伝えきれていない不手際)、早くも、金貸しが登場・・・藤吉たちは、ひと月もしないうちに、パーマ機の大半が、売れると思っていた?」

 

「金貸しの話の前に、今や、北村屋は、借金の利息すら、払えない状況にあることが分かるようなシーンがあった方が、視聴者に対して、親切であることは間違いない」

 

「金貸しは、返済がされないなら、利息だけでも、と来ただけなのに、何故か、家を壊す壊さないの話に・・・?」

 

「柱の前に立つ啄子、それを『どけ』と言い出す金貸し・・・もはや、何を目的にした争いなのか、全く分からない」

 

「啄子は『この家を壊す前に、私を』と言ってるのに、藤吉が『お母ちゃんの言う通りや、いっそ、この家を壊して』と、相変わらず、わろてんか名物・噛み合わない会話」

 

「藤吉が鉈を持ち出して、ひと芝居して、金貸しを追い払ったことになっているが、やっていることは、(たとえ、間接的だとしても)刃物を使った、脅迫でしかない」

 

「藤吉が鉈を持ち出した時、ナレーションが『万事休す、もう、一巻の終わりです』と言ったのに、別に、何も終わっていないのは・・・朝ドラで、フェイクニュースまがい?」

 

「市電が通るという話があるから、金貸しは、とにかく、家を壊すことが、頭の中にあるようだが、あの家に、金をかけて壊して、材木などにするよりも、あの建物自体の方が、価値があるように思える。それに、いやらしい話、あの家を壊さずに、住んでいた方が、立ち退き料とか、開発者から、取れるだろうし・・・」

 

「金貸しが帰った後、啄子が藤吉のことを『昔から、お前を縛りつけてきた』と反省・・・藤吉は、家を出て、何年も帰って来なかったのに?むしろ、放任主義と言えるのでは・・・」

 

「藤吉の最初に覚えた芸、鳥の鳴きまね『ホーホケキョ!』、せめて、言葉じゃなくて、声まねして欲しかった」

 

「子供の頃の藤吉の『ホーホケキョ!』、母を励まそうとしてやったのに、『くだらない!』と怒られた・・・少しかわいそうだけど、あのクオリティーでは、仕方ないかも?」

 

「藤吉の『みんなで食事中も、笑顔なんてない』、明治の日本の話だし、どこもそうなのでは?あるいは、現代の日本でさえ?」

 

「藤吉『お母ちゃんに誉められたことなんて、いっぺんもない』、その割には、初めて、啄子が登場した時、凄い親バカだった印象が・・・」

 

「藤吉『お母ちゃんに誉められたことなんて、いっぺんもない』、じゃあ、例の啄子の『藤吉は、勉強出来る、算術出来る、顔が良い、背が高い、優しい!』って、藤吉の人生で初めて、しかも、5連発で誉められたってこと?」

 

「パーマ機、北村屋に何台か置いてあるようだが、やっぱり、1000台は、どこにも置く場所がない?というより、たとえ、50台でも、スタッフが作ってくれない?」

 

「北国の米の話じゃないけど、パーマ機1000台、神戸から大阪まで、輸送費だけでも、大変そう」

 

「パーマ機は、万丈目(藤井隆)の顔芸披露と、北村屋を潰すためだけの道具?それとも、年月を経て、日本でも、パーマが流行り出して、ちょっと、直せば使えて、役に立つ(儲かる)みたいなエピソードに、ちゃんと、繋がっている?」

 

「北村屋に残った米が、どのくらいあったのか、知らないが、もし、荷車一台分程度だったら、保存のきくものだし、無駄に安売りするより、自分たちで食べるという、選択肢もあったのでは?」

 

「藤吉にパーマ機を購入させて、傾きかけていた北村屋に、とどめをさした、キースが、自分の長屋の家賃を滞納させて、米袋をふたつ分購入して、得意げ・・・何というか、類(バカな藤吉)は、類(バカなキース)を呼ぶって、本当のことらしい」

 

「落語の『鶴』のくだり、元々のオチの面白さが、一般には(少なくとも、私には)分からない。こんな時こそ、ナレーションで、少し、説明するべきだったのでは?」

 

「キースの『月見の、つーっと、卵入っているの、るーっ』という、オチのアイデア・・・ただ、ただ、(?)としか言いようがない」

 

「卵入っているの、るーっ?ま、料理のさしすせそだって、みそのそって、言ってるし、百歩譲って、アリ?」

 

「落語家の『何で、月見うどんが出て来るんや?』という疑問に対し、『月見うどん、うまいやろうが!』とのキースの答え、つくづく、(?)としか言いようがない」

 

「鶴が出て来る話をしていることが、結婚式の落語として、目出度い訳だから、オチなんか関係なしに、藤吉が言った『鶴は千年のご多幸、お二人とも、おめでとうございます!』で締めたら、それでいいのでは?」

 

「藤吉のオチのアイデアを聞いて、落語家が『私も同じことを思った』そうな・・・少なくとも、現代の日本で、同じことを思ったのは、このドラマの脚本家・吉田智子氏だけかと・・・」

 

「キースの花火の芸・・・幼い頃の藤吉同様、音をまねるのではなく、言葉で『どーん!』というだけ、本当に、似た者同士としか、言いようがない」

 

 「藤吉とてんが、万丈目の店で、外食と演芸を楽しむシーンの後、藤吉が帰宅して、啄子に『最後の一粒まで、売って参りました』と報告、本来、良いシーンになるはずなのに、さっき、道草していたことで、視聴者の印象は悪くなってしまった・・・そう思っていたら、てんの方が、家で何かを洗っていたことから、万丈目のところから、帰って来た後、藤吉が、もう一度、一人で米を売りに行ったらしいことが分かる・・・だったら、てんと藤吉が帰宅、てんに『オレは、もうひと仕事して来るけど、おてんちゃんは、お母ちゃんの手伝いでもしてくれ』みたいなことを言うシーンを挟んで置いた方が、北村屋・最後の仕事のシーンは、より感動的だったかと・・・」

 

 「藤吉が『家なし、職なし、取り柄もなし』と弱音を吐くと、てんが、彼の駄目なところと、良いところを話し、『うちは、この道が泥道やろうが、地獄やろうが、何があっても、藤吉さんに、ついて行きます!』と宣言・・・泥道と地獄の間に、もうちょっと、何かを挟んで欲しい気がするのは、私だけ?」

 

「てんの『うちが、あんさんと結婚してあげます、その代わり、今度こそ、一生、笑顔にしてください』という、女の方からのプロポーズ・・・今度こそ、ということは、これまでの笑顔は、作り笑いか何かだったってこと?」

 

「プロポーズをしたと思ったら、急に、寄席を始める話をし出す、おてんちゃん・・・ホップ、ステップ、しないで、ジャーンプ!」

 

「てんと藤吉が、啄子に『寄席をやりたい』と報告、『オレは、商いの才能はないけど』と藤吉・・・じゃあ、どうして、寄席の経営が出来るのか?」

 

「もしかしたら、これから、てんが経営全般を担って、一応、芸を見る目がある設定の、藤吉がスカウトみたいな役割になっていくのかも知れないが・・・だったら、てんの経営センスを感じさせるようなエピソードが、もうひとつ、ふたつ、必要だったのでは?ただの、がんばり屋ではない・・・」

 

「てんと藤吉の寄席の話は、啄子が認める認めないの話ではなく、要は、二人に、金と才覚があるかないかの話でしかないのに、まるで、啄子に金を出してもらうかのような、妙な構図に」

 

「来週の予告では、早くも、てんと藤吉は、寄席を手に入れてしまったようですが・・・ホップ、ステップ、ワープ?」

 

「てんの側から、藤岡屋に戻されることになったトキ、儀兵衛に対して、彼女が、バツの悪い思いをするのは、可哀想・・・あっ、初めて、わろてんかのキャラに、同情している自分がいる?」

 

「てんが、トキのためにと、しずに手紙・・・むしろ、説得すべきは、儀兵衛、何かを伝えなきゃいけない相手がいるとしたら、祝言を挙げた(先に、手紙をくれた)、妹の、りんの方では?」

 

「北村屋の掃除、柱に、藤吉と姉の、思い出のあと・・・あまりに、ベタな話ですが、もしかしたら、こういうシーンを挟むことが、視聴率を安定させるためのコツ?」

 

「啄子が、北村屋を潰してしまったことを、先祖に対して、涙ながらに、土下座で謝罪・・・その時、藤吉は、悔しそうな顔はするものの、頭は下げず・・・北村屋にとどめをさした、張本人なのに、案外、ふてぶてしい?」

 

「北村家の3人+てんで、食事をしながら、どこに住むという話をしていたら、早速、住む場所を見つけて来た、万丈目が登場・・・もう、この手の、ご都合主義を突っ込むことは、わろてんかでは、意味がない?」

 

「子供の頃、跡継ぎとして、母から、期待をかけられている藤吉を、嫉妬していた、姉のいけずの内容は・・・布団に蛇! キャラ設定の甘さが目立つ(一貫性を感じない)、わろてんかの中で、唯一、頭のネジが一本、抜けっ放しという、設定を守り通している、この藤吉の姉こそ、今後、コメディー要員として、活躍する可能性を秘めている?」

 

「それにしても、北村屋が潰れても、北村家が去る時も、近所の人たちは、全くの無反応、困っている時、米○合も買ってくれなかった・・・啄子は、商才があるうえ、客に対して、誠実な対応をしていた、という設定の崩壊は、明らか?」

 

「荷車を引いて、新たな住居へと引っ越しをする北村家・・・もしかしたら、この日のために、米の行商で、トレーニングを積み重ねて来た?」

 

 「これからは、芸人長屋で、ワイワイガヤガヤ?段々、ひよっこと、似てきた。京都は奥茨城で、北村屋は向島電気、長屋はあかね荘で、万丈目の店は、すずふり亭(月時計)?しかし、ひよっこのみね子と違って、わろてんかのヒロインは、『お笑いビジネスでの成功』という、大きな目標を持っている訳ですが・・・」

 

 


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 ドラマで観ていた時は、完全に滑っていると思っていた、パーマをかける、万丈目のシーンですが、こうして、画像にして見ると、意外と面白い・・・?

 

 とはいえ、殆ど、「藤井隆の顔面力」の手柄であって、脚本家や演出家の手柄では、ないような気がしますが・・・。