詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

わろてんか(第40回~第41回)、喜楽亭文鳥とカレーうどんの話・・・何ですのん、コレ?

 

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 NHK・朝の連続テレビ小説「わろてんか(第40回~第41回)」は、喜楽亭の興行の後援をしている、伊能製薬のツテを使い、伝統派の大看板・文鳥と、対面することになった藤吉、その目的は、風鳥亭へ、伝統派の落語家を回してもらうことだったが、文鳥から「寄席の色(理念・特徴)」を訊かれ、何も答えられず、退散・・・その後、藤吉は、再び、伊能の仲介を受け、てんと共に(彼女・特製のカレーうどんを持参し)、文鳥と対面、「伝統派のためでも、オチャラケ派のためでもない、庶民のため、落語のための寄席」、それが風鳥亭の寄席の色と、理解した文鳥は、自ら、風鳥亭の舞台に上がることを、二人に約束するという、あらすじなのですが・・・とにかく、この回は、「よく分からない台詞」、「よく分からない設定」、「普通、あり得ない省略」、「普通、あり得ない展開」、「視聴者に、何度でも、襲い掛かって来る、違和感の波」と、このドラマの脚本家の、吉田智子氏の作風(独自過ぎる思考回路)が、「これでもか!」と炸裂しており、彼女のファンにとっては「たまらない!」、そうじゃない人にとっては「たまったもんじゃない!」、大変な問題作に仕上がっています。

 

 

 そんな衝撃の問題作「わろてんか(第40回~第41回)」についての、筆者の率直な感想です。

 

 

「伊能の、文鳥との、カレーのエピソード『とんがらしカレーと言われて、食べてみたら、何と、甘いカレー、文鳥師匠は、大の甘党だったというオチさ』と言われても・・・このドラマの脚本家の吉田智子師匠が、何故か、『とんがらし』と『カレー』というワードを使いたがる傾向がある、ということしか、こっちには、伝わってこない!」

 

「伊能の、『親のコネを使うみたいで、迷ったんだが、これも良い機会だと思って』、『これも良い機会だと思って』が抽象的、『僕も、文鳥師匠に会いたいし』の方が、分かりやすいし、『迷ったんだが』より、『恥ずかしいんだが』の方が、これまでの伊能のキャラに合っているかと・・・」

 

「文鳥の、『その寄席の色(理念・特徴)は、何や?』と訊かれて、答えられず、退散した、藤吉が、まず、何をするのかと言うと、『あちこち回って、芸人探し』、自分の好みで、色を染め上げるのではなく、入って来た芸人で、色が変わる、という方針?ま、そっちの方が、藤吉っぽいかも知れないが・・・」

 

「伊能(高橋一生)の『いつか、師匠に、甘いカレーの仕返しをしたい』の時の、一連の演技・・・完全な客寄せパンダ扱い、演出家は、視聴者を見くびっているし、高橋一生のことも、見くびっている」

 

「藤吉と伊能の会話、『栞君は、何でも思い通りになると思ってた』、『おてんちゃんは、君を選んだじゃないか?』、お前が、断ったからな!」

 

「タダ働きになることを恐れ、風鳥亭を逃げ出す、アサリ(前野朋哉)・・・どこへ行ったかというと、NHK・あさイチのスタジオ!確かに、ここなら、ギャラも、きちんと、入ってくるに違いない」

 

「面白い芸人なんていないのに、『面白いですよ!』と言い張り、笑顔で客の呼び込みをする、てん・・・彼女特有の、スマイル詐欺!」

 

「神戸に行ったはずの、アサリが、何故か、キースに連れられて、てんの前へ、そして、『食っていくためには、お前らの夢に、付き合っていられない、この小屋は終わり』と、捨て台詞を吐き、再び、神戸へ・・・大阪に、たくさん、寄席があるのに、どうして、わざわざ、神戸?いつものように、後付けエピソードで、その理由も分かる?」

 

「万丈目には、嫁の店があるからいいが、キースと、岩さんは、どうやって、生活している?そろそろ、このいろもの芸人たちの、生活の現状や、過去を教えてくれても、いいのでは?」

 

「藤吉が、芸人探しの旅から帰って来たら、改装の名目で、寄席が休業中・・・藤吉の芸人探しの旅のシーンはゼロ、何日で帰って来たのかも(寄席を何日、閉めていたのかも)分からない・・・藤吉、金もないのに、旅に出る必要あった?店を閉めて、寄席の色と、再開プランについて、考えていれば、良かっただけでは?

 

「てんの進言で、伝統派の誰かではなく、そのトップである、文鳥に来てもらい、落語をやってもらうことに・・・どうして、そんな話になる?まだ、風鳥亭の色も決まってないのに!」

 

「文鳥を口説き落とすための、てんの秘策、甘口カレーうどん・・・伊能のカレーの話が、ヒントになっているのは分かるが、うどんにするアイデアは、どこから来た?現代?」

 

「伊能の仲介があったとはいえ、食事の約束をした訳でもないのに、(おそらく)台所まで借りて、『はい、カレーうどん!』って・・・こんなことされたら、どう思います?わろてんかの、制作統括を始めとする、スタッフの皆さん!」

 

「てんの、カレーうどんを食べた文鳥の、『美味いな、出汁も効いてるし、辛いわあ、ワシが辛いものが好きって、よう分かったなあ』という台詞・・・おそらく、何でも、逆のことを言いたがる、茶目っ気のある、文鳥師匠みたいな話なんだろうけど、その描写が、何から何まで、下手過ぎて、とにかく、視聴者大混乱!

 

「藤吉が、下手な落語をやるのは、今回ではなく、ロミオとジュリエットの時にでもやって、彼は、落語にも興味があるという認識を、視聴者に持たせて置けば良かった・・・藤吉が、急に、落語大好き青年になっても、観ている方が、ズッコケるだけ」

 

「てんの『初めて、芸を観たのは、祭りの時の落語』と話した後の、『ウッフフ、ウッフフ』という、思い出し笑い・・・いわゆる、『キモかわいい』ってやつ?今後、何度か、繰り返せば、視聴者にウケるようになる、可能性もある?」

 

「文鳥師匠の『寄席の色の話』、自分で問題を出して、自分で答えを出す・・・何も考えていなかった、藤吉、ラッキー!そして、てんのカレーうどんのエピソード、別に要らなかったような・・・」

 

「そもそも、ギャラの支払い能力がゼロなのに、何故、藤吉は、文鳥に限らず、あっちこっちの芸人を、自分の寄席に、呼ぶ気になれる?」

 

「キース(大野拓朗)の霧吹き、儀兵衛(遠藤憲一)に劣る!」

 

「待ちに待った、文鳥の特別興行の日、伊能の力で、マスコミが何人も(そこには、このドラマを、無事、脱出したかと思われていた、あの人まで)、どうせ、宣伝してもらっても、この寄席には、一人も、まともな芸人が、居ないのに!」

 

 


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 ネタがひとつ(後ろ面)しかないのに、何度も、舞台に上がらなくてはいけなくなり、切羽詰まった、万丈目の苦肉の策「前面(まえめん)」、実は私、このネタ、嫌いじゃないです(右面・左面・頭頂面・無面まで、やって欲しいくらいです)。

 

 ただ、万丈目が、躍りながら「お客さん・・・後ろ面の時より・・・動きが・・・自然やろ?」と言って、「当たり前や!」と、客全員に突っ込まれる、シンプルなオチの方が、あの、例の「ナスとカボチャが」よりも、良かったような気もしますが・・・。