詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

わろてんか(第43回~第45回)、何故か、突然、藤吉と伊能が、それはシュールな、相撲対決!


f:id:kitafumi:20171122231345j:image

 

 NHK・朝の連続テレビ小説「わろてんか(第43回~第45回)」は、文鳥の落語と、新聞による宣伝のお蔭で、客足は好調なものの、太夫元の寺ギンへの支払いが厳しく、その経営状況は、芳しくない風鳥亭・・・元席主・亀井の、真夏の火鉢などの秘策で、客の回転を上げようとするも、失敗、逆に信用を失ってしまう・・・そんな状況を乗り越えようと、てんや啄子が知恵を絞り、客に団扇を貸し出したり、客の履き物をきれいにしたり、お茶だけではなく、冷やしあめを売り出したり・・・更に、伊能の提言により、女・子供・年寄りなどのために、昼間も寄席を開くことにし、風鳥亭の信用は、徐々に、回復していく、というあらすじなのですが・・・とにかく、このドラマの脚本家の吉田智子氏が「寄席の経営に向いていない」ことだけは、断言出来る、いつも通りの、微妙な仕上がりとなっています。

 

 そんな、寄席の経営に向いてない人が、寄席の経営の話を書いてるから、違和感があっても仕方ない、と言い訳しても、追いつかない、ちぐはぐドラマの金字塔「わろてんか(第43回~第45回)」の、筆者が気になったことについて、いくつか、指摘してみました。

 

 

「寺ギンから、派遣される芸人、一日5人程度?自前の芸人を足しても、総勢8人?これで、毎日、夕方と夜で6時間、持つ訳ないような・・・」

 

「寺ギンの芸人、結局、いろものばかり、芸の質も、キースたちと変わらない感じ、藤吉の番組表を見る限り、一人で20分も、場を持たせなきゃいけないようだが、誰一人、そんな力量があるようには見えない」

 

「ハコ(その他の雑費)が自前で、芸人3人が自前で、三味線(出囃子)が自前で、お茶子も下足番も自前で、どうして、寺ギンの取り分が、売り上げの七割?」

 

「キースと万丈目が、藤吉の目の前で、売り上げ金を、自分の懐へ(客足が好調で、浮かれていて、冗談でやった、と本人)、そこへ、いつものように、タイミング良く、寺ギンが登場、それが店の売り上げなのか、本人のものなのか、分からないはずなのに、強引に徴収・・・寺ギン『客がどれだけ入ったかは、こっちも数えさせとるんや!ごまかそうとしても、無駄やで!』で、良かったのでは?」

 

「亀井の秘策で、客を早めに追い出して、店の回転を上げようとするも何も、この時の風鳥亭は、満員とは、程遠い状況なのだから、最初から、意味がない!」

 

「今更だが、てんと万丈目が、お茶子と下足番の特訓をしている時、偶然、通った、亀井が小窓から、中を覗くシーン、必要あった?」

 

「亀井は、もともと、席主だったのだから、この人のツテで、寺ギン以外の、太夫元なり、芸人なり、連れて来たらいいのに」

 

「風鳥亭が、新聞に載って、集まって来るのは、お客さんだけではなく、自分の芸人を売り出したい、太夫元や(寺ギンがやって来たように)、今でいう、フリーの芸人だって、やって来そうなものだが・・・」

 

「そもそも、折角、文鳥とのツテが出来たのに、伝統派とは、全く、交渉しないで、オチャラケ派(寺ギン)と、すぐ、契約するのが、不思議だし、八方美人に映る・・・たとえ、後に、てんや藤吉が、二つの派閥の和解に、一役買うようなエピソードがあるのだとしても、スマートな滑り出しとは言えない」

 

「2銭で仕入れた冷やしあめを、人件費も、氷代もあるのに、2銭のまま売って、どうする?」

 

「てんが機転を利かして、キースと万丈目に出した、氷の入った、冷茶を、普通の熱いお茶より、割高で売った方が、冷やしあめより、儲かるし、手間もかからない」

 

「藤吉とも、啄子とも、何の相談もせず、あれだけの数の、冷やしあめを仕入れて来る、てんは、結構、自由に使える金がある?」

 

「どうせ、冷やしあめの瓶を回収するのに、その場で、客に飲んでもらうのだから、コップ(湯飲み)に氷を入れて、冷やしあめを注いだ方が、あんな大きい氷の上に、冷やしあめの瓶を並べて、コロコロやるよりも、楽だし、儲かるだろう」

 

「藤吉に、伊能が『おてんちゃんを貸してくれないか?』と言った直後、この場に、衝撃が走ったという感じの、ピアノのBGM・・・朝ドラというより、何世代も前の、昼ドラ?」

 

「伊能の『ぜひ、冷やしあめの売り方の、ご教授して頂きたい』って・・・見たまんまだろ!」

 

「寄席を昼間もやれば、女・子供・老人など、これまでとは違った客層が、やって来る・・・それはそうかも知れないが、慢性的な芸人不足の中、万丈目・キース・岩さんにとっては、毎日が『約9時間の耐久レース』でしかない」

 

「てんたちが、啄子の噂をしていると、彼女がクシャミ、『埃が』、もう一度、クシャミをすると、『夏風邪かしら?』って、このドラマの脚本家、本当に、40~45前後くらいの人?歳、ごまかしてない?」

 

「藤吉と伊能が、チンドン屋・・・良い男に会っただけで、年寄りの腰が治るなら、藤岡屋(薬問屋)なんか、要らない!」

 

「伊能の家から、藤吉が、東京で人気者になった、リリコへ電話・・・その目的は、あわよくば、風鳥亭に、出演してもらうため・・・脚本家は、藤吉の、嫌な面を描いて、彼は、決して、人が好いだけの男ではない、追い込まれれば(寄席のためならば)、こういうズルさもあると、表現したつもりのようだが・・・むしろ、視聴者(松坂桃李ファン)が求めていたものは、そろそろ、彼が活躍する姿だった?」

 

 


f:id:kitafumi:20171124103628j:image

 藤吉と、伊能が、お互い、見つめ合ってからの・・・それはシュールな、相撲対決!

 

 

f:id:kitafumi:20171124103901j:image

「意味が分かりません!(高橋一生 談?)」