詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

わろてんか(第53回~第54回)、てんと藤吉の離婚の危機を救う、隼也の初節句、そして、放置される寺ギン!


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 NHK・朝の連続テレビ小説「わろてんか(第53回~第54回)」は、隼也の兜は買って来ない、隼也の子守りをリリコに頼む、芸人の給与を、2軒目の寄席の手付金にする、それを問い詰めても、何が問題なのか分かっていない、鈍い藤吉に、てんの堪忍袋の緒が切れて、二人の関係は悪化、直に会話をすることもなくなる・・・そんな中、2軒目の寄席を手に入れた藤吉が、集金にやって来た寺ギンと、今後の、お互いの取り分について、交渉をするものの、これから、寺ギンの元で、働くことにしたという、風太の言葉もあって、失敗に終わる・・・ちなみに、悪化していた、てんと藤吉の夫婦仲は、トキやキースたちによる、サプライズ(隼也の初節句の御祝い)もあり、元通りになった、という話なのですが、ちょっと、ケンカして、会話をしなくなったくらいで、周囲が「二人が離縁したら、風鳥亭もおしまい」と、騒ぎ出すこと自体、違和感しかないうえ・・・藤吉が、寺ギンと、仕事の話をしている最中に、彼を待たせて、隼也の初節句の御祝いを始めるという、このドラマの脚本家の吉田智子氏以外、誰も思いつかない、桁外れの違和感攻撃が続き、朝から、見事に、ノックアウトされてしまった人も、少なくなかったのではないでしょうか?

 

 そんな、ガードを下げたら(ボーッと観てたら)、あっと言う間にやられる(ズッコケさせられる)、人生に休息なんてないことを教えてくれるドラマ「わろてんか(第53回~第54回)」の、私が気になった点について、いくつか、指摘してみようと思います。

 

 

「仲介役の亀井抜きでは、まともにコミュニケーションもとれない、てんと藤吉を、『このままでは、この風鳥亭はおしまい』と心配する芸人たち・・・正直言って、藤吉にしても、てんにしても、いなきゃいないで、どうにかなりそう、と思ってしまったのは、はたして、私だけ?」

 

「トキが、藤吉に、早く、てんと仲直りして欲しいと、意見をするものの、不発に終わる・・・実は、ここで言ったようなことを、トキは、後で、もう一度、言うことに・・・このシーン、別に要らない?」

 

「てんの『風鳥亭を始めた頃は良かった、隼也をおぶって・・・苦労していても、楽しかった』という台詞、風鳥亭を始めて、2年は、隼也は産まれてなかったのに・・・時間を雑に飛ばし過ぎて、まず、脚本家が把握出来なくなるという、珍現象・・・?」

 

「寄席を観て、勉強がてら、芸人探しをする風太、寺ギンに、女子供ウケする芸人の価値について語る・・・それって、風鳥亭の二番煎じの、コンセプトに過ぎないのでは?」

 

「道でバッタリ、風太とリリコ・・・もはや、偶然の出会いは、このドラマでは、突っ込みどころにはならない、『風太とリリコって、そんなに接点あったっけ?』なんて話も、ちゃんと、スルーしてあげるのが、このドラマを楽しむうえでのマナー!」

 

「風太が、藤岡屋から、のれん分けしてもらえる機会を、棒に振ってまで、すでに結婚して、子供までいる、てんを守り続けたい、という設定に無理がある・・・映し鏡らしい、リリコも同じこと」

 

「風太に、のれん分けさせてやれるほど、藤岡屋の経営が順調なら・・・視聴者に、それが分かるような、りんの旦那は、儀兵衛以上のやり手経営者みたいなエピソード(ちょっとしたシーン)を、挟んでくれてもいいかと」

 

「伊能の家で、愚痴めいたことを言い出す藤吉、『(伊能は)結婚してへんから、分からんのや』という台詞は、おそらく、藤吉が風太に対して言った、『お前に、寄席のことが分かるんか?』と、セットになっているのだろうが・・・風太の時のケースは、寄席の話というより、てんと隼也の話をしている時に言っていたから、イマイチ、しっくりこなかった、あの時、『2軒目を買う金なんかあるんか?人だって集めなきゃ、アカンやろうし』みたいなことを風太が言って、『お前に、寄席のことが分かるんか?』だったら、しっくりきたのに、脚本家は、始めにセットありきで、細部まで、頭が回らなかった?」

 

「てんと藤吉の間に入って、余計な通訳をする亀井に、藤吉が、やけに本気の『黙っとれ!』、亀井の方が年上だし、この寄席を売ってくれた恩人でもあるのに、酷い言い方、と感じた視聴者も少なくなかったはず・・・亀井を下足番として雇った時点で、亀井の方から、『大将、ワシは、もう、ただの下足番なのやから、何の気遣いも無用でっせ!そのへんの立場の違いは、ハッキリさせとかんと、他の者に示しがつきまへん』みたいなことを言わせておいた方が、良かったかと」

 

「藤吉が、寺ギンの話をしていると、『オレを呼んだか!』と、ご本人登場・・・噂をすれば影という話は、このドラマでは、突っ込みどころではなく、『待ってました!』と、合いの手を入れて、楽しむのがマナー!」

 

「風太が、寺ギンの元で働くことになった話を聞き、驚く、てん・藤吉・トキ・・・さあ、どんな話が展開するのかと、期待して観ていたら、キースや亀井が、『ちょっとした、趣向がありまして』と割り込んで、寺ギン&風太を事務・応接室に放置したまま、風鳥亭の舞台の方で、隼也の初節句が開かれるという、何とも、わろてんからしい、『?』な流れに・・・」

 

「舞台の上に、甲冑と兜を装着した岩さん、殆ど、顔が見えているのに、動き出したら、やたら驚いてみせる、てんと藤吉・・・やらせのドッキリ番組?」

 

「またも、トキが、てんと藤吉に、昔を思い出せ的な、説教めいた注文・・・藤吉が2軒目の寄席を買おうと考えてから(二人の関係が、ギクシャクしてから)、大した日数は経ってないうえ(もうすぐ、初節句と考える頃の時期だけなうえ)、二人が会話しなくなったのも、ここ2~3日といったところなのに、まるで、二人の険悪な時期が、何ヵ月も続いているかのような、トキの先走り方が怖い!」

 

「てん『もう、堪忍袋はいりまへん!』、あっちこっちで、うるさかったから、これで、近所の人たちも、ひと安心?」

 

「藤吉『(隼也)でっかい男に育つんやで!』、てん『お父ちゃんみたいな』、この二人のやり取りが、悪い冗談にしか聞こえないのは、絶対、私だけではないはず・・・」

 

「隼也の初節句&てんと藤吉の仲直り待ちで、放置され続けていた寺ギンが、堪らず、『いつまで、待たす気や!』と、事務・応接室から飛び出す・・・普通に、帰ってしまったところで、相手は、文句を言える立場ではないかと」

 

「藤吉の、寺ギンとの、取り分を五分五分にする交渉は、失敗・・・それなら、『今より、もっと、面白い芸人を回してくれ』みたいな、派遣されて来る、芸人の質を上げる交渉でも、すれば良かったのに」

 

「端席とはいえ、もう、4年間、順調な経営を続け、多少、業界にも、名が知られているはずの藤吉が、未だに、寺ギン以外の太夫元と、ツテが出来ないのは、何故?また、落語が一番、文鳥が一番と思っている、藤吉が、伝統派の落語家に、声を掛けない理由は?文鳥の弟子と交渉して、『あそこは、オチャラケ派が多いから、出たくない』みたいなシーンは、おそらく、なかったはず」

 

「藤吉もキースも、元は旅芸人の一座にいたのだから、そこから、人材(芸人)が流れて来るような話があっても、いいような気もするが・・・とにかく、過去のエピソードが、全く、連鎖反応を起こすことがなく、忘れ去られていく・・・これぞ、わろてんかスタイル?」

 

 


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 隼也「藤吉、あんだけ騒いで、兜、小さいねん!」