詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

わろてんか(第55回~第56回)、大義なき労働争議と、それを冷たくあしらう、キャラ変男・藤吉!


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 NHK・朝の連続テレビ小説「わろてんか(第55回~第56回)」は、北村笑店の寄席の売り上げは、一軒目も二軒目も順調なものの、もっと、客を呼べる、看板芸人が欲しくなった藤吉は、今、大人気の破天荒な咄家「月の井団吾」に目を付ける・・・しかし、団吾は、噂通りの無茶苦茶ぶり、交渉のしようがない(また、専属にするための契約金もない)、次の一手が思いつかない藤吉が、伊能の家へ相談に行くと、伊能製薬のトップが、父から兄に代わることから、彼は、自分が運営していた貿易会社を失うとのこと・・・それでも、活動写真への情熱を失わない伊能の、「時代を切り開け!」という言葉を受けて、藤吉は、改めて、団吾獲得に闘志を燃やす・・・そんな中、藤吉が、多額の契約金を払ってでも、団吾を迎え入れるつもりであることを知った、キースや万丈目たちは、自分たちの労働条件改善を狙い、立て続けに、団体交渉に挑む、という話なのですが・・・いつも通りの甘い設定、いつも通りの偶然の連続、週の始まりで1年経過、人気改善の見込みのない、松坂桃李の役回り(藤吉)と、このドラマの作風、全く、ブレがありません。

 

 

 そんな、むしろ、ブレて欲しいのに、頑固に作風を大事にする「伝統派」にして、その内容は「オチャラケ派」、二刀流ではあるものの、その刀は、両方とも、錆び付いているようなドラマ「わろてんか(第55回~第56回)」で、私が気になったことについて、指摘してみたいと思います。

 

 

「リリコの隼也の子守り(おそらく、タダ働き)、まさかの1年継続!」

 

「北村笑店の成長を上回る、隼也の急成長、わずか1年で、2~3年分、大きくなっている?尤も、これは、歳と外見が合わなくなるという、『朝ドラ・あるある』であって、わろてんかだけの問題ではない」

 

「てんとトキが、最近、スリや泥棒が増えた話をしていると、賽銭泥棒と間違われたアサリが、警察に追われて、風鳥亭に・・・絶対、ダメとは言わないが、『噂をすれば影』のパターンが、毎度、毎度、多過ぎるのでは?

 

「風太は、寺ギンの世話になって、1年経過しているにも関わらず、『寺ギンさんとこの集金やで』と、入って来るのはおかしい。『集金に来たで』だけでいい」

 

「風太いわく『団吾は、笑いの神に愛された天才』、その後、藤吉も、その評価に追随する・・・団吾役の波岡一喜、ハードルの方が、上がりきってしまったが、初めて落語を見せるシーンで、はたして、視聴者の期待に応えられるかどうか?」

 

「団吾の破天荒エピソード、おそらく、モデルの史実エピソードが、複数入っているのかと思われるが、一気にやる必要ある?また、団吾の破天荒キャラは、おそらく、今だけで、途中から、普通っぽくなっていく予感・・・」

 

「隼也が行方不明になる話の時、剣戟をやると言っていた、キースとアサリ、結局、芸風変わらず・・・他の二人も!」

 

「実は、寺ギンも、団吾が欲しい、そこで、風太が出て来て、藤吉と、団吾をめぐって対決?なるほど、視聴率20%、キープする訳だ」

 

「欧州大戦の好景気もあり、インフレのようで、以前は、1円を、今の価値にして1万円としていたのに、5千円に変更・・・じゃあ、木戸銭を値上げするエピソードがないと、商売にならないと思うが・・・」

 

「風鳥亭には、藤吉・てん・亀井・トキ・お楽・イチ・三味線がいて、万丈目・キース・アサリ・岩さんという、専属状態の芸人がいる。そのうえ、どういう訳か、全く、どんな店か、スルーされている、二軒目の寄席にも、3~5人の従業員がいることを考えると・・・木戸銭5銭(今の価値にして、二百五十円)で、昼夕晩、3回ずつ百人、限界まで入って、それが二軒あったとして、飲み物と食べ物の売り上げがあったところで、売り上げの6割を、寺ギンに持っていかれることを考えると・・・現状、誰に対しても、まともな給与を払える状態ではないことは、確か」

 

「もっと、売り上げを伸ばしたいから、団吾のような大看板が(契約金・1万円払ってでも)欲しい、藤吉・・・もし、二軒目の寄席の規模が、一軒目と同じで、なおかつ、客も7~8割入っているようなら、別に、いらない、というより、かなりのコスト高でしかない・・・私が脚本家なら、二軒目の寄席は、五百人入る、大きいハコなのだが、客は3割も入らない、それが理由で、前の席主も、割安で手放してしまった、という設定にして、だから、ここを満席にするため、団吾が必要と、展開させる」

 

「売れない芸人たちの労働争議、あれでインテリ設定だという、キースが、社会主義・共産主義の本でも、読んでいるシーンくらい、挟まないと、いくら何でも、唐突過ぎる!」

 

「団吾を好条件で迎え入れてから、キースたちが、労働争議なら、まだ、分かるが、今の段階で、何故?そもそも、この人たちのギャラと生活について、ドラマ上、何も描いていないから、大袈裟なことをしている割には、全く、切実さが感じられない」

 

「藤吉が、最も好きな咄家は、伝統派の喜楽亭文鳥だったはず・・・それなら、最初は、団吾を見て、好みじゃない(少なくとも、大金に見合った価値はない)、というところから始まらないと、不自然かと・・・風鳥亭開業以来、はや5年(皮肉も込めて)、未だに、藤吉の寄席の経営方針(笑いの理念)に、『色』はなし」

 

「困った時の、伊能(高橋一生)様・・・いや、藤吉のことじゃなくて、このドラマの責任ある立場の人たちの、基本姿勢として

 

「藤吉『働きとうなかったら、寄席に出てもらわんでもいい、好きにせえ』、『(キースたちより)今は、団吾師匠の方が先や』と、どんどん、感じの悪い男になっていく藤吉・・・これまで彼は、『駄目な男だけど、人に優しいところがある』というイメージだったが、ついに、人への優しさも失い、完全な駄目男に・・・彼の駄目さ加減の最大の特徴、『寄席がやりたい』、『二軒目の寄席が欲しい』、『大看板(団吾)が欲しい』と、金もないのに、やたら動き回って、周囲を困らせるところ・・・何故、金がないのに、何でも欲しがる?そして、不思議なことに、結局、何もかも、手に入れてしまう!」

 

 

 

 ・・・以上です。私の長いばかりの、つまらない小理屈、最後まで、お付き合い頂き、本当に、有り難うございました。

 

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