詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

わろてんか(第73回~第74回)、またも出ました、このドラマの脚本家の秘技「週またぎ、二段階、時間飛ばし!」

 

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 NHK・朝の連続テレビ小説「わろてんか(第73回~第74回)」は、芸人の数も増え、寄席の数も増え、順風満帆の北村笑店は、藤吉が代表取締役兼総席主、てんが取締役経理、風太が総支配人(大番頭)となり、その運営状況は、今後も、磐石にみえたが、自社の活動写真の、完成披露パーティーの、招待状を携えてやって来た、伊能には、「寄席という商売が、あるいは、その中身が、古臭くなり、新しい娯楽に、飲み込まれてしまう」ように見えており、その話を風太にする・・・風太は、伊能の話を、全面的に認めた訳ではなかったが、新しい仕掛けの必要性を感じ、神戸で、安来節の流行を知り、藤吉に、進言をする・・・早速、島根へと向かった藤吉だったが、思いの他、安来節を取り入れようとするライバルは多く、良い踊り手の確保のため、てんに、島根まで、大金を運ばせる・・・てんと藤吉は、地元の旅館を会場にして、踊り手のオーディションを開催、四人の娘を合格にするも、合格者の一人・都だけは、父親に反対されてしまう・・・結婚して、初めての長旅(数年遅れの新婚旅行)となった、てんと藤吉の二人は、砂浜を歩きながら、都の父親が、娘を心配し、大阪行きを反対する姿に、かつての儀兵衛(亡きてんの父親)を思い出し、若い娘を都会に出す(しかも、芸事をやらせる)、父親の不安は、尤もだと考える・・・再び、都と、その父に会う、てんと藤吉、「都たちのことは、女子寮を作り、自分たちが親代わりとなって、朝から晩まで、面倒をみたい」と説得、都本人の「安来節をやるため、大阪へ行きたい」という思いも、強かったので、彼女の父親は「一人前になるまでは、帰って来るな!」と、強がりながらも、都の大阪行きを認める・・・という話なのですが、また、このドラマの脚本家、吉田智子氏の秘技「週またぎ、二段階、時間飛ばし」が炸裂し、時は、いつの間にやら、大正10年(1921年)の秋になっています。

 

 そんな、時間的構成も、時間的展開も、とにかく、脚本家の癖が強い、「わろてんか(第73回~第74回)」で、筆者が気になったことについて、いくつか、指摘してみたいと思います。

 

 

「てんが島根で、小走りに駆けて行くシーンから、今週のわろてんかはスタート・・・そして、時間軸が、過去に遡っていく、という手法が使われるのですが、過去に1度、やってみた時と同様、何の意味も(効果も)なし!」

 

「先週の終わりに、ナレーションによる、『寄席が10軒に増えました』で、事実上、時間を大幅に飛ばしているのに、今週の始まりでも、大正10年というテロップが出て、大幅な時間飛ばしが・・・そして、この、二つの大幅な時間飛ばしの最中に、時間軸の逆流シーンって、何故、脚本家は、このことに、何の違和感も抱かない?」

 

「それにしても、大幅な時間飛ばしを、週またぎにして、二段階にする意味は?先週のクライマックスを、『藤吉は、寺ギンとの戦いに勝利し、伝統派とオチャラケ派、双方を味方にすることに、成功するのでした』で、終わりにして、今週の始まりを、『先週のあらすじ→主題歌→南地風鳥亭で、文鳥と団吾の挨拶→今の北村笑店の現状説明→南地の事務所で、席主たちの会議→伊能と風太のやり取り→藤吉に何かを進言する風太』で終わりにして、火曜の始まりを、『何故か、島根にいるてん』にした方が、格段にスッキリするのに・・・」

 

「隼也が7歳ってことは、北村笑店の歴史は、プラス約2年だから、てんと藤吉が寄席を始めて、約9年?先週の文鳥が、カレーうどんの時、6年前と言っていたから、先週の終わりから、今週の始まりで、約3年の時間の経過?隼也の歳は、わろてんかでは、時間の流れを知るための、重要なモノサシ?」

 

 「隼也が、『ごちそうさま』と『いってきます』を言い損ない、藤吉に、それを促されると、何故、『鉄砲玉』なのか?全く、意味が分からない。脚本家は、『隼也の性格は、藤吉に似ている』、と言いたいのかも知れないが・・・これでは、何も、言ったことにならない」

 

「万丈目夫婦の、新しい芸について、『面白い?つまらない?』を語る前に、何故、歌子が芸人に?そして、何故、芸名が片仮名で、キチゾー・ウタコ?」

 

「風太が、伊能に、『北村笑店に、関わらないで欲しい』と言わなくちゃいけない、理由が分からない(そんな話の流れでもない)」

 

「伊能が、風太に、『(活動写真などの新しい波に)寄席が飲み込まれて、滅んでしまうかも知れない』と言わなくちゃいけない、理由が分からない(そんな話の流れでもない)」

 

 「実は、第73回の終わりから、第74回の終わりまで、つまり、てんと藤吉が島根にいる時のエピソード・・・踊って浮かれる藤吉、それを見て呆れるてん、踊り手のオーディション、合格した踊り手の娘たちのキャラ紹介、反対する父親の登場と説得、そして、忙しい夫婦にとっての、数年遅れの新婚旅行、と・・・ベタベタな話でありながら、かつ、簡素な仕上がりではあるものの、一応、珍しく、ミス少なめで、特に批判するような箇所は、なかった・・・ただ、世間的に、『明らかな、内野安打狙い、セコい!』と思っている人が多いのか、『久し振りに、出塁して良かった!』と思っている人が多いのか、それは(視聴率的には)、分からない・・・」

 

 


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てん「藤吉はん、海水が、目に入ると滲みるって、ホンマどすか?」

 

藤吉「試しに、沈めたろか?」