詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

わろてんか(第88回~第89回)、そばとうどん、落語と漫才、どっちが好き?


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 NHK・朝の連続テレビ小説「わろてんか(第88回~第89回)」は、脳卒中で倒れた藤吉が、3日ぶりに目を覚まし、この時、彼の傍にいた、てんと隼也は、歓喜する・・・医師の診察によると、藤吉は「言葉も喋れるし、大きな後遺症は無いようだが、左半身に、少し、マヒがある状態」だという・・・てんが藤吉に、ここへ、多くの人たちが、お見舞いにやって来た、という話をすると、「どうりで、うるさいと思った」と、彼は笑顔で答える・・・てんは、北村笑店の南地の事務所へ行き、みんなに、藤吉が意識を取り戻し、笑顔で話をしていることを伝えると、風太やトキを始め、みんな、安心する・・・そこへ、大阪中央放送所の、芸能担当の部長が、団吾のラジオ出演の交渉のためにやって来るが、風太に「アホなこと言うな!」と怒鳴られ、交渉は決裂する・・・藤吉の病室で、てんが「もし、落語が、ラジオで聴けるようになったら、どう思います?」と、藤吉に質問すると、「そりゃ、うちの会社、潰れるわ」と、彼は苦笑する・・・例の、大阪中央放送所の部長が、団吾と、直接、出演交渉していることを知った、風太は、団吾の家まで行き、「ラジオ出演は、許可しない、どうしても出るという場合、師匠が会社に借りている、多額の借金を、今すぐ、返して欲しい」と、家の中にある、あらゆる物に、差し押さえの札を貼り出す・・・藤吉の病室に、伊能がやって来ると、「一人でいたら、不安になる、手も足も、思い通りに動かないし、今後も、歩けるかどうか分からないし、仕事に復帰出来るかどうかも分からないし、何より、てんに迷惑をかけたくない」と、藤吉が弱気なことを言ったので、伊能は、彼の手を握りながら、「そんなこと、二度と言うな!おてんさんが、毎日、どんな気持ちで、いつも笑顔を忘れず、君のことを看病していたか・・・いいか、必ず歩け、這ってでも進め、おてんさんを悲しませるな!」と、鼓舞し、藤吉も納得する・・・ある日の新聞に、団吾のインタビュー記事が掲載され、「借金で、物に差し押さえは出来ても、噺家の口に、札を付けることは出来まへん、私は、この封印を解くため、必ず、ラジオに出ます」と、書かれていたので、これを読んだ風太は、激怒する・・・藤吉の病室に、彼が意識を取り戻してから、初めて、リリコがやって来て、料理の出来ない彼女が、リンゴの皮を剥いてくれたので、藤吉は「人生なんて、不思議なものやな、リリコに、こんなことしてもらうなんて、考えたこともなかったわ」と言うと、彼女も「ウチかて、映画女優になるなんて思わなかったし、まさか、薬屋のお嬢さんに、アンタを取られてしまうなんて、人生で最大の、ビックリやわ」と続ける・・・リリコが藤吉に、「おてんちゃんには、かなわん・・・アンタも、あの笑顔に救われたんやと思うで」と言った時、「今まで、言ったことなかったけど、リリコかて、笑ってる時が、一番のべっぴんさんや」と、藤吉が言ったので、病院の廊下の鏡で、笑顔の練習を始めるリリコ、そこへ、てんとしずが現れ、彼女は慌て、挨拶を交わす、しずは、リリコのことを「(有名な映画女優なのに)よう、笑いはる人やなあ」と、感心するが、てんは「へえ」と、返事に困る・・・藤吉としずが、病室で二人きりになった時、「(病気になっても、めげない藤吉を見て)さすが、うちの人が、てんの婿と、認めたことだけはある」と、しずが言ったので、彼は、その思いもよらない言葉に、驚き、そして、嬉しくなる・・・更に、しずは「好いた人との苦労や、親子の間の苦労は、苦労ではなく、幸せの証し、家族3人で、どんどん、苦労して、どんどん、笑っておくれやす」と忠告したうえで、「これから、藤吉さんとてんが咲かせる、大輪の花、私と儀兵衛にも、ぜひ、見せて欲しい」と、てんも含め、3人で指切りをする・・・夜、藤吉の病室に、いきなり、ロウソクを持った団吾が現れ、「落語と漫才、どっちが面白い?」と訊いてきたので、「それは、うどんとそば、どっちが好き?と訊くようなもの」と答える藤吉、「社長は、うどんとそば、どっちが好きや?」と突っ込まれ、思わず「うどん」と、藤吉が答えると、「ワシはそばや」と言う団吾、藤吉が、団吾のラジオ出演の噂について、話をすると、「ワシは、うまいそばを食べるためだったら、店が遠くても行く、そばが高くても行く、客が店から離れるのは、まずいそばを出すからや」と、明日のラジオ出演を宣言して、去って行く・・・という話なのですが、しずの、強引な論理の展開による、長話や、いい歳した大人たちの指切りは、余計だったものの、これまでのわろてんかと比較すれば、「悪くはない回」だったのではないかと、私には思えました。

 

 

 あらすじが長くなったので、感想は、3つだけ・・・てんと伊能の場合、今後、藤吉が亡くなった後、二人が結ばれる、というケースも、想定出来ることから、二人の間に、意味ありげな(恋愛感情を匂わせる)シーンを作るのは、分からないでもありませんが、リリコの場合、藤吉をめぐる、てんの恋のライバルとしての役回りを、もっと前に、卒業させるべきだったのに(誰かと結婚させてもいいのに)、随分と、無駄に引っ張っている理由が、筆者には、分かりません(まさか、伊能と、くっつけるパターンも考えている?)。

 

 キースやアサリも、風太とトキを結婚させようと、画策する前に、「自分自身を何とかしろ!」という話ですし・・・。

 

 


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  わろてんか名物「演出意図不明シーン」が、今回も・・・リリコ(広瀬アリス)のリンゴの皮剥き、「こっちも、リハビリ中?」と疑ってしまうほど、下手なんですが、もし、敢えて、下手にしているのだとしたら、藤吉に「まだまだやな、危なかっしくて、見てられへんわ」みたいなことを言わせると思うのですが、そういう台詞がないということは、これは、脚本の問題でも、演出の問題でも、リリコの問題でもなく、この「危険なリンゴの皮剥き問題」は、ただただ、広瀬アリスの問題だった、ということなのでしょうか?

 

 


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 眠れる藤吉の腕を、まるで、猫でも撫でるかのように、擦り続けながら、何か、よからぬことを考えているとしか思えない、不敵な笑みを浮かべる、「ダーク・おてんちゃん」、もしかしたら、この時、彼女は「藤吉はんが、このまま、逝ってくれれば、ウチは、憧れの伊能さんと、一緒になれる!」とでも、考えていたのかも知れません。