詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

夏の1~2行句集 (30篇) その1 

 

とんでもない雷の日には、臍くらいやるよと思う

 

水で溶かして絵を描きたくなるよな、雨蛙

 

初めて開いた中国製の傘、いきなり壊れている

 

この甕の梅干しは、子に孫に伝えるタイムカプセル

 

お地蔵様にレインコートかけて、凄く期待する

 

梅雨が終われば、乾燥機買う話も終わる

 

ブルーベリー農園やってるのに、家族が全員メガネ

 

古い池イヤ、よって蛙飛び込まない、何も音しない

 

古池に飛び込まない蛙に、石を投げたら、水の音

 

子供が、家族への感謝の気持ちを、蝉の脱け殻の数で表す

 

トラウマを消したくて、茗荷ばかり食べている

 

口の中のミニトマトに、遺言を考える猶予をやる

 

中に太郎が入ってそうな、巨大カボチャ

 

へちまのタワシ、使わないのに父が作る

 

へちまの化粧水、使わないのに母が作る

 

へちまのカーテンより、普通のカーテン

 

蚊に献血すれば、腫れと痒みくれる

 

蚊帳が蚊のための城塞と化す

 

蝿叩きに三振アウトがない、蝿側の不利

 

金魚掬いの金魚、今年も猫に食べられる

 

お魚くわえたどら猫、追いかけたところで、何も解決しない

 

冷やし中華始まったと思ったら、店自体が終わってしまった

 

真夜中、電灯のスイッチを押したと思ったら、ゴキブリ

 

図書館の蝶の図鑑に、蛾の死骸を挟む悪戯

 

さっき毛虫をおんぶしていた人が、今は抱っこしている

 

七夕の短冊に、クリスマスプレゼントのリクエスト

 

七夕の短冊に、彦星と織姫、さっさと別れろと書く

 

家庭の子供用プールに、何故か無言の七三分け紳士

 

コーラにも、アイスコーヒーにも飽きたら、氷水

 

発泡酒もビールも同じと、発泡酒派が言ってもね