詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

夏の1~2行句集 (30篇) その3

 

風鈴が、タイマーかけたみたいに、同じ時間に鳴り出す

 

サクランボを口の中で苛め抜く

 

桜桃が、サクランボとは紛らわしい

 

特技は、桃の皮を、それは綺麗に剥くことです

 

美人がカタツムリを踏み潰したくなるよな、梅雨の憂鬱

 

幽霊の出る部屋に、あえて入居するほどの孤独

 

高層マンションに住んでいるのに、部屋に雨蛙が一匹

 

熟していないトマトに、雨蛙が同化を試みている

 

ヤドカリに握手されて、宣戦布告と受け取る

 

干物という名の、魚のミイラを食べている

 

クサヤの干物、つくづく酷い殺され方

 

夏のビニールハウスで、ビールを飲むのが好き

 

一気飲み勝負、三ツ矢サイダーか、キリンレモンか、協議する

 

コーラより、ペプシより、ドクターペッパーが好き

 

助手席に、アイス乗せている日に限って、信号が赤ばかり

 

自分だけ傘がある優越感に浸りたくて、雨乞いの勉強

 

水風船の不発弾を、つまようじで処理する

 

デング熱持った蚊、核搭載されたミサイル

 

蚊が進化したら、羽音がしなくなると思う

 

ミズスマシ、ジャンプ覚えりゃ、人気出る

 

カマキリが、私のカステラ、切りたがる

 

蝉が狂ったように鳴くのは、既に地中で狂っていたからだと思う

 

ふと足元を見たら、蟻の行列に割り込み

 

田んぼで立ちション、蛇に睨まれて帰る

 

スズメバチがお地蔵様を人質にして、こっちを睨んでいる

 

エチゼンクラゲ、ダイオウクラゲに改名すればいいのに

 

冷や麦って、満腹になる前に飽きる

 

流しソウメンのエンターテイメント性、過大評価されている

 

夏休みの宿題やらなかったら、死刑になるくらいに思っていた、あの頃

 

夏休み、死にかけの老猫の傍で、読書する日々