投石危険の教訓
少年は、月に向かって
石を投げ続けた
たまに、横をかすめるだけで
一度も当たらなかった
でも、毎日やっていたから
コツが分かってきて
ついに、石を月にぶつけることに成功した
しかも、連続で三回!
少年は気付かなかった
月が何処かへ消えてしまったこと
星たちが、やたらざわめいていたこと
一時間後、少年の家に
小さく変化した、月がやって来た
彼は、包帯を巻いていた
少年が、月に指示され、その包帯を解くと
見事に腫れ上がっている部分が、三ヶ所あり
それを目のあたりにした少年は
泣きながら、謝り続けた
両親も一緒になって、必死に謝った
しばらくして、月は、気が済んだ様子で
「親の顔が見たかったものですから」
それだけ言って、宇宙へと帰った
この日から、少年は
月夜の晩が恐くなった
外出することが、出来なくなった
このトラウマは、大人になった今でも続き
彼の人生の、大きな足枷となっている