詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

危険地帯、ひと駅違えば、大違い

 

駅から出たら

そこは戦場だった

 

タクシー乗り場へ行ったら

戦車の行列が出来ていた

 

一応、乗車して、目的地を告げた

 

「その場所へ行く橋は

 三日前に爆破されたので

 途中までしか行けない」

 

ヘルメットに迷彩服の

運転手が言った

 

「行けるところまで、お願いします」

と、私は伝えた

 

十分もしないで

爆破された橋の前に到着した

 

「ところで、何故、突然、戦争に?

と、私は降り際に、質問してみた

 

「いつだって、理由は複雑さ」

運転手の答えは、それだけだった

 

 このタクシー戦車は

私が地面に降り立つと

素早く方向転換して

再び、駅へと向かった

 

そして一分後

地雷を踏んで、大破してしまった

 

そう言えば、私はまだ

料金を支払っていないことに気付いた

 

大怪我を負ったらしい、運転手が

匍匐前進しながら、こっちへやって来た

 

「今更、料金を支払うのもなあ」

 

 私は、そんなケチなことを考えつつ

運転手が、もう一度

地雷の餌食になることを願った

 

ふと空を見上げると

複数の戦闘機が、敵味方に分かれ

激しい空中戦を繰り広げていた