無敵蛙、我を見失って、友も失う
ひ弱蛙は、無敵蛙に捕まり
相撲の相手をやらされることになった
無敵蛙は、ひ弱蛙に対し
あらゆる技を使って
二百回以上、投げ飛ばした
無敵蛙ときたら、大胆になって
「今日は、すこぶる調子が良い
あと三百回は、投げ飛ばしてやろう」
そう考えながら
すっかり参って、仰向けに寝ている
ひ弱蛙の身体を起こして
「ホレ、もうひと勝負!」と、大声で言った
すると、ひ弱蛙は、最期の力を振り絞って
「僕は、もう、自分で命を絶ちます
何故って?
この世に、アナタに投げ殺されることより
不名誉な死に方なんて・・・・・
ありませんからね!」と言い放ち
舌を噛み、本当に、死んでしまった
この地域に、蛙は
無敵蛙と、ひ弱蛙しかいなかったので
もう、無敵蛙は、独りぼっち
敵だけではなく、仲間もいないせいか?
日々、無敵蛙は、老け込んでいくばかり
自業自得とはいえ、憐れなものである